インターバル
インターバル 2
控室のソファーで、留守番中の
「カナメさんただいまーっ!」
「今戻りました……」
「あらあら、お帰りなさい二人とも」
帰ってきたのは
「
「ごめんなさい、あたし負けちゃった。これでは教官に合わせる顔がないよ…………」
「あら、あなたが負けるなんて意外ね。直接の戦いで負けたとは考えにくいから、純粋に競技内容で競り負けたか、はたまた妨害をもろに受けたか」
競技に負けた
とはいえ、
「で、
「うん! 負けたー!」
「えぇ……」
てっきり
しかしここで、
「あれ? 今いるのは
「ううん、
「へぇ、教官が!」
どうやら
と、そんなところに、
「二人ともお疲れ様。結果はステラエルさんから聞いてるわ、残念だったわね」
「
「あ、マリカ先輩っ! お料理作ってくれたの? ありがとーっ!」
「あら、いい匂い。ハンバーグかな?」
早速熱いうちに食べようとしたところで、今度は転送装置から
「っ! 教官、お帰りなさいっ!」
「ただいま戻りました、鹿島さん。……その様子だと、負けてしまいましたか」
「ごめんなさい、教官っ! あたしは……っ!」
「鹿島さん、そう自分を責めないでください。私だって負けてしまったのですから」
『ええーーーーーーっっ!!?? 教官(
いったい何がどうなれば、この人間離れした男に勝つことができるのか……そして、一対一とはいえ、勝てるだけの実力を持った存在がいるということ自体も、驚愕すべきことであった。
とはいえ、
「確かに、ある意味で今まで戦ったどのような魔の物よりも強力な相手でしたし、あの存在を討滅するのは並大抵のことではないですが……敗因は私自身の大失態ですね。想定外の相手とは言え、幾らでもやりようはあったのですが」
「へぇ、教官も失敗することあるんだー! 意外だねー!」
「舩坂さん、私とて一人の人間ですから、失敗は数えきれないほどあります。人間は失敗を繰り返して成長するものですから、戻ってくることができればそれでいいのです」
とはいえ、まだ始まったばかりなのに、すでにかなり負け越しているという事実は覆しようがない。この結果を上層部が知ったらどうなることやら。
「ふふふっ、退魔士なんて大仰な名前なのに、皆様大したことないんですね♪ 私、少し失望しちゃいましたー」
「なんですって!?」
「鹿島さん、落ち着きなさい。今は結果が全てです、汚名返上の機会は後でいくらでもありますから」
そして彼らが揃いも揃って無様な戦績を残していることを、笑顔で指摘してくるステラエル。どうもこの天使は、あまりよろしくない性格をしているらしい。
「あのー、教官。いったんお昼にしませんか? 競技の結果はお腹がいっぱいになって余裕ができてからの方がいいですよ?」
「これは……翠さんが作ってくれたのですね、ありがとうございます」
「不肖ながら私も手伝わせていただきましたー♪ ああそれと、
「あら、私ですか。最後になりましたが、ようやく私の初陣ですね。これ以上負けないように、頑張らなきゃ、ですね」
どうやら、
念のため、あらかじめお昼を食べ終えていた
「うん、美味しいね! 小麦粉も使われてないし、これなら
「えっへへ~、私ハンバーグ大好きーっ!
「私も料理は得意な方だけど、
「ええ、これは本当に素晴らしい。とても家庭的な味付けで、なおかつ皆さんの口に合うように手を尽くしています。さすがは戦闘よりもお料理が得意と自慢なだけはありますね。こういういい方は前時代的ではありますが、翠さんが結婚したら、いいお嫁さんになりそうですね」
「…………」
「…………」
(んー、教官は女の子の扱いだけは失敗しっぱなしだったねー)
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