バレるわけにはいかない (サージ視点)
魔王様と勇者様が起きてから外を見て楽しそうにしている。
レーヤとルリはそんなお二人優しく見守っている。
(はぁ、何故こんな時に招待状など)
招待状を送ってきた国は我ら魔族とは友好関係を築いている。
しかも天族に近い国の割にかなり我ら魔族側の方だ。
そんな国がこんな嫌がらせ染みた事をするとは思えなかった。
(何か起こっているのだろうが、、、ルリと勇者様の安全を完璧にしてからにして欲しかった)
我ら魔族にはある法律がある。
それは魔王様の対の勇者様には魔王様と同じ地位を与えるという法律だ。
コレは対の勇者様が我らに敵対していない事が条件だ。
ちなみに、有事の際には魔王様の命令の方を優先する。
この法律を作ったのは対の勇者様と結婚した魔王様だ。
それと法律には続きがあり、対の勇者様が女だった場合は何よりも優先的に対の勇者様を守る事だ。
この法律は歴代の魔王様も破棄しなかったモノなのでこれからも変わることなくあり続けるだろう。
つまり何が言いたいかというと、勇者様を守るにはまだ全然完璧ではないということだ。
勇者様はまだ我らの国に来たばかりで身の安全を完璧に確保出来ていない。
しかも、天族から狙われている可能性が大いにある。
そんな中でこの招待状だ。
イラつきたくもなる。
(最低でも一年は欲しかった)
そしてもうひとつの問題がルリだ。
ルリの事は最近分かったばかりで本当に何の対策を練ることも出来ないまま連れてきた。
(まさか、ルリが全なる治癒者だとはな)
全なる治癒者という者は数百、数千年に一人居るか居ないかというほど生まれない者だ。
この能力を持っている者はどんな国の者でも喉から手が出るほど欲しがる者だ。
(レーヤといいルリといいこの二人の世界から来た者はヤバい能力を持っている者ばかりなのか?)
ルリの事は上層部には伝えてあるが、まだ答えが出る前に招待状がきたのだ。
ルリの事は今は俺が守るという事で納得させて今回は連れてきた。
俺が守る事になったのはルリの人見知りが酷い事に関係がある。
他の者が護衛に着かせたとしてもルリがかなり怯えてしまうので怯える事がない俺が守る事になったのだ。
(あの国に天族に属する者が居なければ良いが、、、無理だろうな。あの国は天族に近い。天族、またはそれに近い者は招待させれているだろう。魔王様とレーヤの事はメーヤとセーラを主に他の者達に任せ俺は勇者様とルリの護衛に全力を上げるか。メーヤには俺が居ない時に二人の事を守るように言っておくか)
外を見て楽しんでいる4人を見て決意を強くする。
(魔王様以外の者の事をバレるにはいかない。慎重に行動せねばな)
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