外を楽しもうと思ったんだけど、、、速すぎねぇ!?
サージさん達が馬車に乗り込むと直ぐに出発した。
「「「魔王様、勇者様、レーヤ様、サージ様、ルリ様、、、お気をつけて行ってらっしゃいませ」」」
「はい、行ってきます」
出発すると準備をしてくれたみんなが一斉に頭を下げ行ってらっしゃいの挨拶をしてくれたので挨拶を返した。
すると何故かハンカチを目元にもっていく人と胸を抑えて顔を赤くしている人がいる。
「え?だ、大丈夫なのかアレ?」
「大丈夫だ。ただ単に (レーヤの可愛さにやられた上に)魔王様 (とレーヤ)が暫く居なくなるのが寂しいだけだ」
「あ、そうですよね?魔王様は魔族にとってとても大事な王様ですもんね?暫く会えないのは寂しいですよね?」
「、、、(そういう事にしておくか)ああ、そうだな」
実は、オレもみんなに暫く会えないのは寂しいのだ。
城のみんなはオレにとても優しい。
コミュ障のせいで挨拶する時に声が震えてしまっているのにそれを嘲笑ったりせずに優しい笑顔で挨拶を返してくれるのだ。
(はぁ、気分転換に外の景色でも眺めよ、、、う?)
「え?いや、、、は?」
「連夜、何を思ったのか分かるけど驚き過ぎだよ。サージが前に早く着く為に魔法を使うって言ってたじゃないか」
「え?、、、あ、そういえば、、、けど、こんなに速いもの?速すぎねぇ?」
「うん、まぁ、速いけど、、、魔法ってこういうモノじゃないのかな?」
「そうか、魔法ってこういうモノか。オレも魔法についてはあまり知らないからなんとも言えないけど、魔法だしな」
「うん、魔法だし」
「、、、 。」←なんとも言えない顔をしてるセーラ
「、、、ええ、そうですね」←なんか色々と諦めたメーヤ
「そうだな」←元々諦めてるサージ
セーラさんとメーヤさんは微妙な顔をしていたが頷いてくれた。
馬車の速度を例えると新幹線みたいな速さだ。
「う?」
「あ、おはようございます、魔王様」
「レーヤぁ?」
「はい、レーヤですよ」
「う?う~?」
「ああ、ここは馬車の中ですよ。それに、、、ほら、外ですよ」
「しょ~ろ?」
「はい、外ですよ。ほら、大きい山が見えますよ?」
「やぁ~まぁ?」
「はい、大きいですね?」
「おっちぃ!レーヤ!おっちぃ!」
「はい、あの山大きいですね?」
魔王様が起きたので馬車の窓から外を見せてあげると魔王様は初めての外にはしゃいでるみたいで、外を見てはオレを呼びながら手をぺちぺちと可愛らしい音をたてながら叩いてる。
(え?なにコレ?魔王様、、、可愛過ぎねぇ?いや、世界一可愛いわ!知ってた!めっちゃくそ可愛い!!)
「んう?」
「あ、勇者も起きた?」
「ん~?あい」
「勇者も外見る?前は外なんか見れなかったしね?」
「ちょぉとぉ?」
「うん、外」
このあと、勇者様にも外を見せると勇者様もとてもはしゃいだ。
お目めをキラキラさせながら外を見ながら、いちいちオレや瑠璃くんに報告する魔王様と勇者様はめっちゃくそ死ねほどに可愛かった。
(おれ、ここにはかをたてる。いましんでもくいはなにもない!すこやかにいけそうです)
※訳 (オレ、ここに墓を建てる。今死んでも悔いはなにもない!健やかに逝けそうです)
このあと、少し記憶がなかった。
瑠璃くんが言うには魔王様の報告にはうんうんと頷いていたらしい。
条件反射って凄いなって思った。
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