招待状が届いた!え?オレも行くの?
勇者様と瑠璃くんが来てから二週間がたった。
その日は朝から何処か慌ただしかった。
それが何故なのか分かったのは朝飯を食った後だった。
「招待状!?魔王様にですか?」
「ああ、そうだ」
「魔王様に招待状がくるのは魔王様だから分かりますが、魔王様はまだ赤ちゃんですよ!?招待状を送ってきた所はそれを知ってるんですか?」
「ああ、魔王様がまだ赤子だというのはこの世界の者ならばほとんどの者が知っている事だからな」
「は?つまり?この招待状を送ってきた国は?魔王様がまだ赤ちゃんだって知ってて?こっちの国に来いっていう招待状を送ってきたんですか?」
「そうだ。魔王様が赤子でまだ自分の身を守る事も出来ないのを知っていてソレを送ってきたんだ」
サージさんは淡々と返事をしていたので怒ってないのかと思ったが、かなり怒っていたみたいだ。
まぁ、オレも同じなので気にしないが。
(まだ自分で身も守れねぇ、自分で歩けねぇ、免疫力もまだそんなにねぇ赤ちゃんに来いたって?ふざけてんのか?)
「で?そのふざけた奴らは何処のヤツですか?」
「はぁ、、、その国は天族が居る人間の国に近い所にある獣騎(じゅうき)族の国だ。しかし、あそこの王族はここまで馬(ば)、、、考えなしではなかったはずだが?」
「、、断る事は?」
「、、、難しい。招待状の内容がソコの国の王族の結婚式だ。相手側の方は書いてないが、、、王族の結婚式では魔王様がその国に赴き守護を贈るのが決まりだからな」
どうやら、魔王様はどうあってもその国に行かないといけないみたいだ。
「あれ?二人とも凄い顔してるけど、どうかした?」
「あ、瑠璃くん。いや、その、、、実は」
勇者様のオムツを変えてた瑠璃くんが戻って来たので招待状の事を瑠璃くんに説明した。
「なら、参加しないといけないんだ?何時?」
「あ、そういえば何時なんですか?」
「、、、明後日の朝には出なければならん」
「は?」
「どのくらいで着く?」
「その日の夜、、、いや夕方くらいだな」
「早いんだね?」
「魔法を使うからな。普通の馬車で行けば一週間ほどかかる」
「そうなんだ、、、連夜、直ぐに準備した方が良いんじゃないかな?」
「え?あ、そうだな。いや、それより!明後日の朝?早くないですか?」
「早いな。嫌がらせか?普通は一月前に出す物だぞ?」
サージさんからしても急な話だったみたいだ。
(けど、明後日の朝に行くなら魔王様に必要な物を準備しな、、、ん?)
「サージさん」
「なんだ?」
「この国に行くのって魔王様と誰ですか?魔王様が居ない間、オレは何をしてれば良いですか?」
「何を言ってるんだ?レーヤ、お前は魔王様と一緒だぞ?」
「え?」
「当たり前だろう?お前は魔王様のお世話係りだぞ?」
「あ、そうなんですか、、、オレも一緒、、あれ?なら、瑠璃くんと勇者様はお留守番ですか?」
オレが瑠璃くんと勇者様の事を聞くとサージさんは少し考えたような顔をしてから話した。
「、、、、いや、ルリと勇者様も連れていく。あの国は天族の国に近いとはいえ、勇者様達をここに置いて行くのは不安要素があるからな。例えば、勇者様を捨てた奴らの国が何かしにここに来るかも知れないとかな」
「それは、、、連れていった方が良いですね」
「え?なら、僕も準備しといた方が良い?」
「ああ、そうしてくれ」
「うん、分かった、、、、(はぁ、人と会うのはいやだな。それに、、)」
「瑠璃くん?何か言った?」
「ううん、何でもないよ。それより、何が必要なのか聞きながら必要な物を用意しよう」
「あ、そうだった!」
オレと瑠璃くんはサージさんに挨拶をして部屋に戻り必要な物をメーヤさんやセーラさんに聞き、、、ちょっと驚きながらも準備をした。
(え?何で袖に隠せるナイフとか要るんだ!?)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます