第11話

なんかさ、世の中って不公平だよね、


かわいそうだ、ほんとにかわいそうだ、弥生ちゃん。


そんなにかわいそうって言わないでよ、悲しくなるから。


だってそうじゃん、猫しか話し相手がいないなんて。


うぅ。。。そんなことないよ!真由ちゃんとか、幸ちゃんとか友達いるし。


私、誰かにに話せてるのかな?

いつも思ってること、話したいこと、話せてるのかな。

保健室の先生とかなら話せるけど。

真由ちゃんと幸ちゃんには話せないなあ。

だって聞いてくれる気がしないから。

佐々木さんなら聞いてくれるかも。


「猫相手のほうが喋りやすいんだよおおお!」


そんなもんか。人間って大変だな。


うん・・・


まぁ、頑張れ。


適当だなあ、


しょうがない!俺がなんとかしてやるか。


なんとかって?


言ってなかったけど、俺には特殊能力がある。弥生ちゃんの願い事をなんでも叶えられる。3つまでならな。


え!それってすごいじゃん!


すごいかな?へへ、褒められちまったぜ。


黒猫は照れ笑いをした。


うん、すごいよ!魔法のランプみたい!アラジンの!


いつか本で読んだことがある。ランプをこすると魔神が現れて、青年の願い事を叶えてあげるのだ。


ちょ、俺はそんな話知らないぞ?


え!知らないの??


コホンコホン。これは俺が思いついたことだからな。


へー。


とにかく!

そんな冴えない弥生ちゃんの人生が180度変わるんだぞ。

なんだって願いが叶うんだからな。

想像してみろ。明日から弥生ちゃんの時代になるんだ。


私の・・・


時代・・・?!


ひゃ〜〜〜


おーい、


はっ。


わかったら、願い事、どーぞ。


ええ・・・と、そんな急に言われても。


じゃあ俺が考えてやろう。

ふむ。今までの話をきいたところ、弥生ちゃんは陰気だ。


陰気だって、、そんなはっきり言わなくても。


小さいことでクヨクヨ悩む。

本音を言えない。

僻みっぽい。


うう、、グサってきた。


問題点が多すぎるな・・・

こりゃ相当大変だな。


ひどい。泣


何かないのか、、なりたいものとか、やりたいこととか。


なりたいもの、

やりたいこと、、、



そうだ!私、真由ちゃんになりたい!!


真由ちゃん?


うん。真由ちゃんはね、クラスの人気者でね、お姫様なの。


みんなに好かれてる真由ちゃん。

なんでも思ってることをいえる真由ちゃん。

お姫様みたいな真由ちゃん。


ほう。お姫様になりたいのか。


そう!


よし!叶えてやる。


お姫様になーれ!にゃんにゃん。


ドキドキ・・・!



・・・


・・・・


・・・・・




ん?


あれ?


あれあれ??










なんにも起きないけど。



明日学校に行ったらわかるさ


そういうと、黒猫はウインクをした。

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