四章 「三人の若者と動き」
日が沈み、夜が訪れる。
公園は月明かりと小さな街灯だけで、少し暗い。
むしむしとした暑さで、汗が肌に張り付いて気持ち悪い。
3つ目の時間帯は、あっという間にやってきた。
調査を始めて3日が経つ。
時間はあっという間に過ぎて、正直少し焦るところもある。
でも、今はしっかり情報収集に力を注ぎたい。意味のない内容に思えることの中にも大切な情報があるときがあるから。
まずは情報がなければ、謎解きはできない。
それに、情報は多いに越したことはない。
謎を解くためには、今はゆっくり時間をかける時だ。
そして、この日に大きな動きがあったのだった。
公園に着くと、すでに人が数人いた。女性が一人と学生たち数人がいる。
きっと昼に来て、そのままいてる人たちだろう。
その人たちを見てみたけど、2日間の間で見た人はいなかった。
空き缶は、ブランコの近くに変わらずある。
しばらくすでに公園にいた人たちの様子を見ていたけど、別段変わった行動は見られなかった。
私がいつものごとくベンチで座っていると、3人の若者が公園に喋りながら入ってきた。
時間は、21時ぐらいだ。
見た目から、高校生ぐらいだろう。男の子二人に、女の子が一人という集まりだ。
男の子はピアスを開けている茶髪。
女の子は悪く言えば、露出の激しい服を着ている。
こういう人種とは、普段絶対話したりしない。
夜に公園に集まるなんて、褒められたことではない。
でも私にとってそんなことはどうでもよかった。
その若者たちが、謎に関係しているかどうかが大事だ。
聞き耳を立てたけど、何を喋っているかまでは流石に聞こえなかった。
でも、その若者たちは、空き缶があるブランコの方に一直線に歩いていった。
今までそんなに空き缶に接近する人がいなかったので、私の胸はドキドキしてきた。
もしかしたら、こんな若者がゴミを拾っている人なのかと私は想定外のことに驚きを隠せなかった。
若者が空缶を拾っている人だとすれば、目的は何だろうか。
そんなことを考えながら見つめていると、さらに若者の一人が空き缶を手に持って、何か残りの二人に話し始めた。
また、話し声はここからでは聞こえない。
私が声かけようと立ち上がると、私のすぐ後ろから何か声が聞こえてきた。
驚いて振り返ると、その人はゴミ収集の男だったのだ。
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