第4話
「ことわざとか慣用句、四字熟語って役に立つときあるよね」
「そうね」
「姉さん好きな言葉ある?」
「急がば回れはまさしくそう感じることあるわね。道とか混んでるとき回り道するとスムーズに進めたりするもの」
「確かにね」
「塵も積もれば山となるも使いやすいわ。本1冊買っただけでは大したことないけど、集めていけばすごい量になるものね。あと、課金。毎月500円課金してるだけでも1年で6000円。それを続けていけば恐ろしい金額になるわ」
「う、課金のことは考えたくない…」
「壁に耳あり障子に目ありは芸能界とかで役立ちそうね。どこで誰が見ているか分からない。だからこそ芸能人は一般人よりも気を使って生活しなくてはいけないわね」
「芸能人ってプライベートでも気を張ってなくちゃいけないんだよね…。大変な仕事だなあ」
「まあ、週刊誌とかネットが人のプライバシーに触れるようなことをするのを辞めれば少しは楽になるんじゃないかしら。一般人は自分のプライベートに踏み込まれるとプライバシーの侵害だとか言って怒るけど、芸能人だって人前に出る仕事をしているとは言えど人間なんだから自分のプライベートには踏み込まれたくないってことを理解してあげるべきね」
「ことわざでも何でもないけどさ、子どもの頃によく言われる『人にされて嫌なことはしちゃだめ』ってほんとその通りだよね。どんな言葉よりもこれが一番大切な気がするよ」
「そうね。一、昔のことわざって役に立つけれど現代社会では意味を成さなくなってしまったことわざもあるわよ」
「え、なんかあったっけ」
「遠くの親戚より近くの他人」
「あー、確かに。今じゃ遠くの親戚より近くの他人より遠くの他人ってかんじするな」
「長いわね。近くの他人より遠くの他人にしなさい」
「確かに、そっちの方がいいや。今じゃ結婚しない人も増えてるし親戚も少なくなってるんだろうなあ」
「そうね。ついでに近くの他人とはほとんど関わらず、SNS上の人間とばかり関わる傾向にもあるしね」
「姉さん、その新しいことわざ広めてったら?」
「そうね、辞書に載ったらすごいわね」
「超棒読みなんだけど」
「そんなことよりも私、毎回矛盾してると思うことわざがあるんだけど」
「へえ、何?」
「下手の横好きと好きこそものの上手なれ。下手なのに好きなんておかしいとか言ってる割には、好きなら上手くなれってなんか不思議よね」
「最初はけなしてるのに、次のは好きなら頑張れ、だもんね。考えた人が違うなら仕方ないんじゃない?」
「それは分かってるわ。要は物は言いようってことね」
「そういうことだね。ことわざって意味を知るだけじゃなくて、並べて考えられるわけだ。奥が深いな」
「日本語自体回りくどかったり、いろんな言い方があるから余計そうなるのかもしれないわね」
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