第2話
「姉さんはさ、この間アンチコメは黙って報告するって言ってたけど、それが出来ない人はたたかれたものを守りたいのかな」
「まあ、その人の意思はそうなのかもしれないけど、アンチにとっては引っかかってくれた最高の餌でしょうね。アンチは基本何かをたたくことで構ってほしいだけだから」
「なんかかわいそうな人種だね」
「そうね、好きな子に意地悪しちゃうっていう小学生と同じなのよ。相手にするだけ無駄。そんなことより、ネット上で争われると見たくなくても見てしまう場合があるからそっちの方が問題ね」
「姉さんでも傷ついたりとかするんだ?」
「ひどいいいようね。私だっていくら興味ないとは言えど平和主義なんだから争われると不快だわ」
「僕は叩かれてる芸能人とかコンテンツとかのことを考えると辛いけどね」
「そりゃ誰でもそうでしょ。嫌いなら嫌いでいいと思うし無理に好きになれとも言わないけど、せめて家族間とかで言い合って終わりにしてほしいわね。わざわざみんなの目に見えるネットで言ってる時点でただのかまちょなんだから放っておくのが一番なのよ」
「でもさ、それで人が傷ついて自殺しちゃうパターンもあるわけじゃん?」
「そうね、アンチを一掃したいわね」
「さっき平和主義名乗ってた人とは思えない言葉なんですけど」
「ネットにはあえて煽るように書かれたコメントや記事も多いものね」
「え、無視?」
「はあ…一、この話辞めない?人や人が作り上げた物のことを息を吐くように叩きまくるクズの話してると私がストレスたまるわ」
「あ、じゃあ姉さん、1つ聞くけど犯罪とか悪いことをした芸能人をたたく人たちのことどう思う?」
「…一はどう思うの?」
「僕は『こんな奴かよ』とか『好きだったのに…』とかいうコメント見るたびにイライラするね。だってお前らはそいつの一面しか知らないわけじゃん?その人が日ごろどんな悩みを抱えて生きてたかも知らないくせに、って思うけどね。好きだったけど嫌いになったとかいう人もそう。たった一つの間違いで嫌いになれる程度の好きならそんなの好きじゃない」
「一はクールぶってる割には人情深いわね。ま、いいことだと思うわよ。前いも言ったけど人間関係の軽薄化が進んでるって言ったでしょ。簡単に嫌いになれるのはそういうことよ。意見を言うのは勝手だけども、一みたいに相手のことをもっと考えられる想像力のある人が増えるといいわね。何なら私が言ってやりたいぐらいね。そんなに想像力のない乏しい脳でよく今まで生きてこれたものね。誰の目にも入るところで文句言うってことは、ふつうにいじめと変わらないんですけどって」
「…姉さんの言い方もだいぶキツイけどね。でも…ありがとう」
「…世の中にはありがとうの5文字も言えない馬鹿がいるんだから、一はちゃんとしてるわね」
「…褒められてる気がしないんだけど」
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