第四話
「きみを意識して数ヵ月。
諦めようと逃げて数年。
周囲の優しさに触れながらも、どっち付かずの灰だらけの世界で
きみに呼ばれるまで。
きみは僕に救われたとよく言うけれどそれは寧ろ僕の方。
きみのお陰で僕らしい生き方を始めることが出来た。
あの時、僕を見つけてくれてありがとう」
俺の手からプレートを組合わせて何かを形作り胸の前でそっと握ると目を伏せる。
「これからも僕はきみと共にあることを誓うよ」
「……それはあなたに捨てられるまで?」
「死がふたりを別つまで、だよ」
そして、はにかんで続ける。
「これでさっきの返事になるかな?」
差し出す俺の掌に仄かな温もりの十字架が渡る。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます