第二話

アルコールは一滴も飲んでない。

努めて明るく朗らかに、重くなりすぎず、でも真剣に。

決めたつもりだが……


返事がない。


今日のこの日はマズかった?

でも、あなたの誕生日に照準を合わせると最適な機会はここ以外見つからない。


パクンと音をたててケースを閉じるとコートのポケットに詰め込むあなた。

恐る恐る顔を覗きこむと、目が据わってる。


…………超、怒ってる。


わー、待って!

無言でずんずん進むあなたに必死に付いていく。

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