光の源

第一話

二十代最後の宴は、ちょい旅を兼ねた夜景の綺麗な豪華ディナー。

窓際はカップルに譲って。

忙しい時期なのにありがとう。

目の前でフランベされた島の如き分厚い極上ステーキ、超美味かったです。


冷たい夜風。

海辺の観覧車の光が水面に煌めく。

乗りたいと言ったら拒否られた。残念。


「改めて、おめでとう」

贈り物は何が良いかと聞かれ選んでもらったネクタイ。

あなたは俺に首ったけ♪

俺もあなたに首ったけ♪

はい、お礼に色違いのお返し。

見事な渋面。

イケおじ顔が台無しですよ、先生。

そして、この日のためにあつらえた上質なケースを追加投入。

深まる眉の皺を押さえ開けさせる。


雫型の二つの石を留めたタイピンが2本。

勿論、それぞれの誕生石。

実は、互いに着けた状態で石を合わせると四つ葉になる仕掛け。


さあいくぞ、かっちり決めろよ。


「この四つ葉の様に、俺とひとつの家族になりませんか」

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