告白

第一話

我知らず気付く。

『して欲しい』は難しい。

矜持以前に強烈に恥ずかしい。

言われたがりの人生でごめんなさい。


あなたを真似て先ず言い方に慣れよう。

……抱き締めて

……キスして

語尾に『いい?』を続けたら立場が変わらんじゃないか!


数回挑戦したところで不審の目。

「最近おかしいけど何かあった?」

「お伝えしたい旨がございまして。

 その、あの、……して欲しいなぁと」


まんまるな瞳が楽しそうに輝く。

「その甘えは新鮮だね、いいよ、たくさんしてあげよう、ちゅっ。」

「出来ればその先の先まで……ダメかな?」


優しく目を細めて言う。

「充分いただいたから、気遣いなら要らないよ」

「2割程そう思いましたが、純粋にお願いしたく、……はい」

「きみのその正直なところ堪らなく好き。

 そんな事言わせるつもりはなかったのに、いいの?」

「あなたが良ければ是非」


照れくさくはにかむ表情。

「……では、遠慮なく」

「お手柔らかに」

「今度は節度を守るよ」

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