第15話 妖精さんと友達と実験パート2
俺達はフードコートに来た。
妖精さんは俺と手を離すと寝てしまう為手を繋いでお互い好きなものを買いそして、柊と及川さんが待つテーブルに向かった。
「さて、色々聞かせてもらうわよ!」
「んー、花園さん。どうする?」
「そうですね…神原くんのお友達の方はいい人なので話しても大丈夫です!」
あぁ。そう言えばそういうの分かるって龍吾さん言ってたな。
「了解だ。けど、その前にご飯食べてからな」
「まぁ…しょうがないわよね」
そう、妖精さんは相当お腹がすいているのか買ってきたハンバーガーをガン見しているのだ。
「なぁ、愁。1つ聞いていいか?」
「ん?どうした?」
「なんでお前ら飯食う時まで手を繋いでんだ…?」
そう。俺らがハンバーガーを選んだのには理由がある。それは…両手を使わないで食べれるからだ。
「モグモグ…美味しいですぅ〜」
「あぁ…ほら、ケチャップ付いてるぞ」
「んみゅ?どこれふか?」
「ほら、ここだ。拭いてやるから動くなよ?」
そして、その光景を見ていた柊と及川さんは呆れていた。
「ねぇ、誠くん。あの二人付き合ってるの?」
「いや、さっき俺も聞いたけど付き合っては無いらしい」
「嘘でしょ…これで?」
「あぁ。まぁ、愁は昔から面倒みが良いからな」
「だとしても…まぁ、いいわ。そのうちわかる事だし」
「よしっと。悪いな柊。なんだっけ?」
「いや、仲が宜しくていいなと思っただけだよ」
「はい!神原さんはいい人です!」
妖精さんは何故か自分が褒められたかのように喜びドヤっとしている。
「お、おう、そうか。で、愁よ」
「ん?なんだ?」
「お前ら飯食う時まで手を繋いでんのか…?」
あぁ…確かに傍から見たら意味分かんないよな。
「まぁ、これには事情があってな…」
そうして俺は話せるだけの事を話した。
一応事故の事とかは話していない。
「…なるほどな。そういう事か」
「不思議よね…まさに現代版眠り姫ね」
「まぁ、そんな感じなんだよ」
「それにしても…道で拾ったって…」
「そして、そのまま家に連れて帰って放置…危機管理大丈夫なの?」
「だ、そうだぞ?花園さん?ちゃんと聞いてるか?」
「モグモグ?んむぅ!うむ!」
「よしよし、食ってから話そうな?」
「いや、愁「神原くん」の事だから!」
え?そんなに変か?普通だと思うが…
「まぁ、事情はわかったよ。とりあえず、愁が手を繋いでないと寝ちゃうんだよな?」
「あぁ。他の人でも実験したいんだが…」
「ごくん!っぷは!ご馳走様でした!」
「ほら、水も飲みな?」
「ありがとうございます!ごくごく…」
「神原くん…確かに面倒みいいわね…」
「だろ?愁は小学校の頃からお母さんってみんなに呼ばれてたんだぜ…」
「…ふぅ。それでなんですが、少し協力して貰えませんか?」
「協力…?」
「はい!私と手を繋いで貰いたいんです」
「分かったわ。とりあえず、落ち着ける場所に移動しましょうか」
そうして俺達はカラオケ屋に来た。
「さて、実験開始だ」
「よろしくお願いしますね。及川さん」
「えぇ、じゃあ手を…」
及川さんと手を繋いだ妖精さんは一瞬で寝てしまった。
「あら…凄いわね。直ぐに寝ちゃったわ…」
「あぁ、見ての通りなんだ」
「こいつは…凄いな」
「次は…柊。起こしてみてくれないか?」
「あいよ。ほら、起きろー!朝だぞー!おーい!」
しかし、起きなかった。
及川さんも試したがダメだった。
こうなったら…
「柊、最終手段だ。耳元でアレを言ってくれ」
「ん?あぁ、あれか。起きろー妖精さん!妖精さーん!」
しかし、起きなかった…
「なん、だと…?これで起きない?」
「じゃあ、今度は神原くんの番ね」
「あ、あぁ。花園さん。起きて…」
「ふぇ…?わふぅ…。おはようございます…」
起きた。普通に起きた。
「これは…また。ホントに起きるのね」
「あぁ、びっくりだぜ」
「だよなぁ…よし、もう1回寝てくれ」
「うみゅ…すぅすぅ…」
そして、俺はあの言葉を使うことにした。
「妖精さん…起きて」
ガバッ!!!
「誰が妖精さんですか!!」
「「「あ、起きた」」」
そう、この実験で分かったことは…
俺しか妖精さんは起こせない事だ。
そして、妖精さんって言って起きるのも俺だけのようだ。
「お二人共ありがとうございました!色々わかってスッキリです!」
「まぁ、どういたしまして」
「えぇ、私たちは特に何も出来なかったからね…」
「まぁ、色々分かったからな。助かったよ」
俺が礼を言った時2人は一緒に言いやがった。
「「やっぱり妖精使い《フェアリーマスター》は伊達じゃない…」」
「おいこら、表出ろやぁ!!!」
最後は騒がしくなってしまったが…妖精さんは凄く楽しんでいたのでまぁ、よしとしよう。
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