第7話 妖精さんと登校

俺は急いで朝の準備をして妖精さんのお父さんの車に乗り込んだ。


「おはようございます。すみません、お待たせしてしまって」


俺はそう謝ると龍吾さんは笑顔で受け入れてくれた。


「いや、こちらこそ済まないね。娘が昨日の件を快諾してくれたからそれを伝えに来たんだが…連絡先を聞くのを忘れていてね」


そういう事か…てか。


「本当に良いんですか?大切な娘さんでしょう?」


「ははは!君は本当にいい青年だ。大丈夫さ。何かあれば…な?」


「…は、はい」


やっぱりラ〇ウだよこの人!そのうち北○神拳とか使いそうだよ…


そんなこんなで車で走ること20分どうやら到着したらしい。


「ありがとうございました。ほら、花園さん学校着いたぞって寝てる…」


随分静かだなって思ったら寝てたのか…

妖精さんは後ろの席で寝ているため俺は1回外に出てからドアを開け、妖精さんを揺すった。


「ほら、学校行くぞ?遅刻するぞ〜」


ゆさゆさ…ゆさゆさ…


「ん、うみゅ…あと5分…」


全く…


「ラオ…龍吾さん。今からする事は起こす為の事なので一切邪な思いはありません」


「うむ、分かった。許可を出そう」


「ありがとうございます」


そして俺は妖精さんの耳元で囁いた。


「妖精さん?起きないと…協力辞めるよ?」


その瞬間妖精さんはバッ!と起き上がった。


「誰が妖精さんですか!花園結愛ですよ!」


やっぱりだ。何故か彼女は妖精さんと言われるのを嫌がっている為俺はこれで起きると思ったのだ。


「はいはい。ほら、学校行くよ?」


「むぅ…!分かりました!」


彼女はプリプリ怒りながら学校に向かっていった。


「…流石だね。私達でも起こすのには苦労するのに」


「ありがとうございます。けど、余りやりたくない手ですけどね…」


俺は苦笑する。


「まぁ…今回は娘が悪いからね。けど、余り怒らせないでくれよ?」


「えぇ、分かりました。では、行ってきます」


「あぁ。行ってらっしゃい」


そう言い龍吾さんは会社に向かっていった。


「さて…行くか〜」


そう言い俺は先を歩いている妖精さんと合流した。


「おーい…まだ怒ってるのか?」


「いえ!怒ってませんよ!」


「怒ってるじゃん…ごめんよ。花園さん」


俺が名前を呼んだら彼女の機嫌はすぐ良くなった。


「ふふ!やっと呼んでくれましたね!はい!花園です!」


俺は単純だな〜と思いながら下駄箱をくぐった。


「では、私はこっちなので!」


そう言い彼女は保健室へと歩いていった。

俺はそのまま自分の教室へと向かった。


ガラガラ〜


「はよ〜」


その瞬間教室は静まり返った…


「…え?何?どしたし?」


俺が混乱していると柊が歩いてきた。


「なぁ、愁…いや。我が親友よ聞きたいことがある」


「なんだよ?改まって」


しかし柊は真剣な顔で聞いてきた。


「朝のあれは…どういうことだ?」


朝のあれ?…あ。やべぇ…

俺はその時思い出した。彼女はみんなに妖精と言われるほど人気がある。

そして、普段はギリギリに学校に登校するらしく中々お目にかかれないが、今日は俺と一緒の為いつもより早く来ているのだ。


「な、なんの事だ?」


俺がそう言い放った瞬間教室の特に男子からの殺気が膨れ上がった。


「誤魔化すなよ〜愁。大丈夫だ、俺は味方だ」


怪しい…。てか、お前彼女居るじゃん。いいのか?ほら、及川さん睨んでるぞ?てか、及川さん目に光が無いけど…大丈夫か?


「わかったよ…正直に話すよ。たまたま噂の妖精さんが居たから話しかけたんだよ」


「本当か?」


「あぁ。なんでも見るだけで幸せな事があるってんなら話しかけたらもっと幸せな事が起こるかもだろ?」


「…まぁ、そうだな。皆の衆そういう事らしい」


柊がそう言い放つと教室は普段の様子に戻った。


なんだこいつら…怖すぎだろ…


俺は少しクラスメイトに恐怖心を持ちながらも自分の席に座るのだった。

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