第6話 妖精さんと朝と契約
そして次の日俺は昨日のことを思い出していた。
「流石に妖精さんも断ってくれたよな?」
少し不安な気もするがまぁ、気の所為だろう。
そう思うことにし俺は朝の準備を始めた。
そして、7時30分頃に突然インターホンがなった。
『ピンポーン』
「ん?誰だこんな朝早くに」
この時の俺は油断していた。まさか奴が来るとは思わなかったのである。
「はーい!今出まーす!」
そう言い俺は玄関のドアを開けた。するとそこには…
「おはようございます!神原さん!」
俺は1回扉を閉めた。
ふぅ、夢かな?俺はまだ起きてないのか?
そう思い頬を抓ってみた。うん、痛い。
『ピンポーン』
はぁ…。現実か。
俺は諦めて玄関を開けた。
「おはようございます!神原さん!」
「あぁ。おはよう。朝早くにどうしたんだ?」
「えっと、昨日両親から聞いていませんか?」
「ん?何を?」
そう言うと妖精さんは少し拗ねたような顔をし言い放った。
「私のお世話係の件です!」
「…え?妖精さん、あれ断らなかったの?」
「妖精さんじゃありません!花園結愛です!」
違うそこじゃない。ってか、妖精さん呼び嫌なのか?
「あぁ分かったよ。花園さんはあの話を許可したのか?」
「はい!私にとってはプラスにしかならないので!」
そう言い屈託なく笑う妖精さん。
うん。可愛いよ?たしかに可愛いけど…
「ちょっと待て、確かに花園さんにとってはいいことかもしれない。だが、俺には利点が無いんだが?」
少し言い方は悪いかもしれないが会って間もないのにいきなりそんなに信頼されても困る。俺だって男なんだよ?
「はっ!確かにそうですね…」
「だろ?だからな断わ…」
「いいこと思いつきました!」
「うん。やっぱり人の話を聞かないね」
「私、こう見えて家事は得意なんです!」
「そうだね?それで?」
「はい!私は神原さんの家で家事をして神原さんは私の面倒を見る!これでWinWinですね!」
ふむ、そうかそうか。WinWinか。
「…花園さんや」
「なんでしょう?」
「俺男。分かる?」
「はい!神原さんは男です!…まさか!女の子だったんですか!?」
「落ち着け…俺は男で合っている。だからな、年頃の男女が一緒に過ごすのは危ないだろ?」
「あぁ!なるほど!」
やっと分かってくれたか…やれやれ
「私こう見えて懐は広いんです!だから喧嘩とかはしませんよ?」
「妖精さんは頭の中までファンタジーなのかな?」
もうやめよう。うん。俺が諦めればいいんだ。
「よし、そうだな。花園さん、とりあえず、これからよろしく」
「はい!よろしくお願いします!」
そうして俺とファンタジーな妖精との関わりが始まった。この先どうなるかは分からないが…まぁ、いいか。
「あっ!そう言えばお父さんが待っているので一緒に学校行きましょう!」
「だから、そう言うのは早く言おうね!?」
…心配になってきた。
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