第15話
「三島……いつからそこにいた?」
三島は徐にコンセントを投げ捨てると、正の方へ向き直った。
「さっきから、ずっと話を聞いていましたよ」
「聞いていたのか。なら話は早い。細木さんが言っていた事は事実か?」
「三分の一は事実です」
「三分の一?」
「三島さん、何を言っているのです。私の言っていることは本当よ」
「三分の一は細木さんの思い違いです」
「思い違い? 私が何を?」
「人体実験というのは思い違いです。細木さんは太っている人ばかり発芽したので、そう思ってしまったようですが、実際には体格で配る相手を選んだりはしていません」
「私はもらっていませんよ」
「数に限りがあったのですよ。欲しかったですか?」
「いいえ。でも、本当にこれは人体実験じゃないのですか?」
「当然です。人体実験なら隠密裏にやりますよ。あの、サクランボはJAXAの研究所で分けてもらったものですが、社員だけでなく医者にも配ったのですよ。頭山さんを診察したお医者さんの頭にも桜が生えていたでしょ」
「確かに」
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