3 ウチは助けられる 【未来】

「付き合って下さい」

「ごめんなさい。」

「友達からでもいいんだ…頼む。」

「ごめんなさい。」


こんなことは日常茶飯事だ。


ウチは『男』という生き物が嫌いだ。

下心しかないとしか思っていなかった。


2件の告白の返答を済ませたウチは一人赤く染まった空の下を歩いて帰っていた。


ウチは、近づいてくる男は全員身体目当てだと思っている。

今までもすぐに告白する奴らばっかりだった。


だが、1人だけ告白してこない男がいた。


そう、あの時サイダーを渡してきた男だ。


もしかしたら本当の優しさだったのかもしれない。

なんてくだらない事を考えてしまった。



翌日


またこれだ。


「付き合ってください!一生大切にします!」

「ごめんなさい。」

ウチの答えはいつも同じ


だが今回の相手は珍しい男だった。

「そこをなんとか」

「たのむ!」

「なんだってする!」


しつこい、しつこい、しつこいしつこいしつこい


ウチの堪忍袋の緒が切れそうになった時


「おーい」と知らない人がこっちに駆けてくる


「一緒に帰ろうぜ~」

困惑する。誰?何者?


ウチの脳をフル回転させてたどり着いた答えが


サイダーを渡してきた男だった。



(まぁ貰ってないんですけどね)

どうして彼が?なんでここに?そんなことを考えていると告ってきた男が

「おいお前誰だよ」と言う。


それもそうだ。ウチも分からない。


「あ?俺?こいつの彼氏だけどなんか用?」


どうして?なんでこいつがウチの彼氏になってんの??


どうして?と言う疑問しか浮かんでこなかった。


「なんでこんな奴が彼氏なんだよ」と告ってきた男はボソッと言う。


そんな事を気にもせずに仮彼氏はウチの腕をとり校門の方まで走って行く。


このままどうなっちゃうんだろうウチ…


校門の前で足を止めたウチらはどちらも息を上げた。


しばらくしてから仮彼氏が「俺は橋本 碧」と名乗り

「すまなかった。校門へ行く途中にお前の姿が見えたから弱みを握ろうと思って見ていたらあまりにも見苦しくて」

と続けた。


その後に「ウチは」と名乗ろうとしたら

仮彼氏が「神野 未来」だろ?と言った


なぜ知っているの?なんで?ストーカー?


そんなことしか考えられない。


「あぁこの前お前に聞いたんだ。」

「ウチ名前教えましたっけ?」

「うん。」

たどたどしい。


重い空気…


ウチは「ありがとう」とだけ言って校門前の信号を渡った



いつかお礼をしなくちゃ


そんな感情を男に抱いたのは初めてだ。

まぁいっか。。。



って全然良くなぁぁぁい!まだアイツが彼氏のままだぁぁぁぁぁぁ!



でもどうやってアイツを呼び出そう…


自慢じゃないが``友達‘‘は居ない。。。




こんな気持ちは初めて…



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