第三回 久瀬郭乱
突然だが、自分は大和撫子な女性が好きだ。男性の三歩後ろをついて歩く奥ゆかしい精神が好きだ。献身的にけれども出しゃばる事はなく、男性を支えようとする姿勢が好きだ。
この大和撫子という要素に、和装、長髪の美人、家事万能、頑固で意地っ張り、笑うと可愛らしい等の要素が入っていれば個人的に完落ちせざるを得ない。
ということで、今回はヒロイン回。間隔があいてしまったが、第二回で語らせて頂いた高浜のヒロインである久瀬について書いていきたいと思う。
久瀬郭乱は自分にとって理想のヒロインであると同時に、一生かかっても理解出来ない感覚を持つ女性だ。
まず慈愛の精神が深すぎる。かつて敵として相対していた人間にも心から優しく出来る器量のでかさがある。そして、努力家でまめまめしく仲間や友人達の少しの機微にも対応できる観察眼に加えて、母をおもわせる包容力と年相応の少女並に純真さを併せ持つ。
何というか……自分でメイキングした割には完全無欠すぎる女なのだ。見た目からして完全に自分好みの和装美人なのだが、中身も己が持ち得ない性質を多く持つので、ただひたすらに書きづらいキャラである。
そもそも何故このようなキャラになったのだろうと深く考えてみると、自分の処女作に起因してくる気がする。
2011年の3月頃だったと思う。高校卒業間近の自分は、なろうで初めて文章とよべる何かを書いていた。
あの東北での痛ましい震災があった頃で、ボーイミーツガールの異能力ファンタジーもどきのそれに、『Future×Real』という大層なタイトルを付け掲載した。碌に文章表現の方法も知らずに書いていたから結構ひどい出来で、データも大分前に消してしまったので晒すことは物理的に無理だが、キャラがひたすらに自分語りしている痛々しい文面だったと記憶している。
その残骸がムーンライトノベルズの方にはあるので、興味があるという変わり者の人は『没山書房』で調べてみると面白いかもしれない。ひたすらに迷走した残骸がそこには沢山転がっている。
話を戻すが、その処女作に登場させていた如月というキャラに久瀬の原型がある。たしか如月は作中に敵役として登場するのだが、敵の親玉である時暁という男に献身的に仕えるも想いが報われることはない、いわゆる悲恋系の役どころだった。
個人的に如月はお気に入りのキャラで見るに堪えなくなって処女作を非公開にした後も、彼女のバックボーンをうまく活かしたキャラを作りたいという思いは消えることがなく、少し時間が経って高浜の物語を作ろうと決めたときに久瀬というキャラがすんなり出来た。
こういった経緯があるからか大事にしたいキャラではあるのだが、如何せん書きづらいのだ。やはり理想は理想であり、現実は現実なのだろうなとしみじみ考えさせられる。
ともあれ高浜同様、久瀬も長い付き合いなので愛着はある。理解は出来ないが、寄り添えるように努力していこうと思いながら今回は筆を置かせて頂く。
次回は……どうしようか。昔のキャラばかりだと精神的に疲弊しがちになるから、比較的最近に作ったキャラにしようかと思う。まあ、お楽しみに。
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