イースト・コースト・タイムズ(1916年11月16日号)
モリスビル・トレントン鉄道橋で鉄道事故。全焼の中、奇跡の少年が唯一の生存者。
15日未明、デラウェア川を渡すモリスビル・トレントン鉄道橋でサザン鉄道の車両が脱線する事故が発生。配電設備の破損による車両火災で4両編成の車両は全焼し、乗務員、乗客含めた68人の死亡が確認された。
唯一の生存者ビル・ダレンスバーグ氏は火災発生から一時間後に現地消防団に救出された。事故現場では16日現在でもこの事故による死者の身元の確認が行われており、警察は引き続き列車利用者の情報提供を求めている。
サザン鉄道のウィリアム・W・フィンリー社長は「アメリカに鉄道が敷かれて80年以上が経つが、史上最悪の事故となってしまった。被害にあわれた方のご冥福を祈るとともに、原因の究明に努め、同様の事故を起こさないよう再発防止の徹底する。」とコメントを残している。
奇跡的に生還した少年ビル・ダレンスバーグ氏は現在デラウェア川の東岸に位置するトレントンの病院に運ばれており、意識も回復している。少年を発見した現地消防団員は「同氏は発見時にコルネットを抱えており、それが彼にとっての生きる希望であるのだろうと直感した。」と述べ、保管していたコルネットを入院中のビル・ダレンスバーグ氏に返却した。
ビル・ダレンスバーグ氏に同行していた同氏の両親は死亡が確認されており、同氏の退院後の生活の見通しは立っていない。
弊誌はこの奇跡の少年の生活が安定するまでの期間を経済的に支援することを決定した。
(ケイト・マノックモア)
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