第31話 復讐2

「好きな人がいるの。でも、その子は私の友達が好きなの。だから私、友達に彼は下山手高校に行くんだってって言ったの。友達は下山手高校に願書を出したの。私は、彼と同じ聖天坂高校に願書を出した」


 歩道橋の柵にもたれて、樹くん相手に懺悔をする。


「どうして、そんなことを……」


「2人を引き離して、私が彼のそばにいれば彼が心変わりするかと思ったの。普通に仲良いし、友達さえいなければって」


「そうか……その気持ち、分かるよ」


「嘘だ。樹くんはそんな最低なことしないでしょ」


「俺は……もっと最低なことをしたよ」


 ああ、そうだった。樹くんは犯罪者だった。


「ねえ、どうして殺したの?」

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