第6話 樹くん2
樹くんはこの家に住むらしい。2階の私達の隣の部屋が樹くんの部屋になるそうだ。
やったあ! お兄ちゃんができた!
うれしくてうれしくて、なんか眠りたくなかった。もっと今日を続けたい!
ママに
「絵本読んだら寝るのよ。約束よ」
と言われて絵本を読んでもらっても、全然眠りたくない。
だいぶ眠いけど寝たくないから立ったりおもちゃで遊ぼうとしたら何度も怒られて、お布団から出ないように言われた。
「トイレ!」
「……もう……トイレ行ったら今度こそ寝るのよ」
トイレに行って、ベッドに入るとお布団を掛けられる。気持ちいい……まだ、起きてたいのに……
寝るのを我慢してた分、より深い眠りに落ちていった。
「おー、大きくなったのう」
前髪の生え際のV字が激しいおじいさんがいた。
「神!」
「そうじゃよー、神じゃよー」
私を抱き上げ、高い高いしてくれる。
「きゃははは! もっとー! もう1回!」
「仕方ないのー。もう1回だけだぞー」
神がへたり込むまで高い高いしてもらった。
「はー……疲れた……。どうじゃ、変わったことはないか?」
「樹くんがおうちに来たよ」
「樹くんか」
「お兄ちゃんができたんだよ!」
「そうか、嬉しそうだな」
「うん!」
「そうか……良かったの」
神が目を細めた。
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