第4話 ママ
私は、なんかくらーい雰囲気がつきまとう家に生まれた。
ちっ。うぜーな。明るく行こーぜ!
「ばーう! だー! てー」
「はんなはよくしゃべるなあ。この子が言葉を話すようになったら、だいぶ明るくなるだろうな」
「そうねえ、楽しみね」
任せとけ! この暗い家を明るく照らしてやろう!
だけど、この家はどこなんだろう?
前のママもいないし、こんなに大きな二階建ての家なんかじゃなかった。
もっと小さい、狭いおうちだったと思う。
私を殺した男の近くに生まれ変われるだろうって神は言ってたけど、パパもおじいちゃんも違うと思う。
ただ……前世があまりにも幼くして終わらされてしまったから、ろくに覚えていない。
おなかが空いたら泣いて、ママに抱っこしてもらって、ミルク飲ませてもらって、おなかいっぱいになったら寝る。
基本、その繰り返しだった。
覚えているのは、ママの顔と声くらい。
温かくて優しい、大好きなママ。
ママは、よく悲しい顔をしてた。でも、私の顔を見る時には、にっこりと笑っていた。
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