第3話 福笑い3

「これは、お前の顔だ」


「そうなんだ? へえー、目パッチリでかわいいんじゃない? 唇もプックプクだしさー」


 おや?


「何これ。片目、まぶたにアザあるんだけど。消してくれる」


「それ消しちゃダメなやつ!」


「せっかくの綺麗なお顔が台無しなんですけどー」


「これは、お前のかたきから遺伝した目だ。この目があれば、きっと復讐できる距離に生まれ変わることができるだろう」


「へえ……おもしろい」


 よし、やってやろうじゃない!


 福笑い!!


「できた! 目見えるようにして! 神!!」


 真っ白だった視界に視力が戻る。


「さあ、この顔がお前の次の顔だ! 本来、生まれ変わる際には前世の記憶を奪うが、特別に記憶を残しておいてやろう!」


 たった数ヶ月の記憶が役に立つのかしら?


 でも、それより……


「この顔じゃヤダ! もう1回福笑いさせて!」

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