第2話 福笑い2
「明智の方は言ってもいいの?」
「呼び捨てならな」
当たり前だけど、大嫌いなんだな。この話はやめといてやるか。しゃあない。
「でもアイツ、普通に死んで終わったからな! 私は戦で何人も斬ったにも関わらずこうして神に選ばれたと言うのに!」
自分で明智の話続けんのかよ。
「本来、人を殺めたら生まれ変わることはできない。永遠に無の空間を彷徨い続ける。だが、私はその功績が認められ生まれ変わりはせずとも神となったのだ!」
その功績を認めて神に選ぶ神の上の存在って何なんだ。そんなもん聞いたことねーわ。
「だいたい明智は―――」
「まだ明智の話すんの?! どうでもいいわ! 復讐の話してくれるー」
「そうだな、復讐の話な」
神は、見たことのあるものを差し出した。
お正月の、日本古来の遊び。
「お前にだけ、特別にこれをやらせてやる」
「なんだっけ? 知ってるんだけど、やったことない」
「やったことない?!」
「うるせっ。そんな驚く? こんな古臭い遊び、しないよ」
「それはお前が生後間もなく殺されたからだろう」
「いや、その前の記憶もまだあるけど、そんな遊びしないね。ゲームウォッチだね」
「古臭! 今の子供分からんだろ」
「仕方ないでしょ、前前世なんだから。子供の頃に遊んだ物なんてそら、古ぃわ」
「ゲームウォッチはどうでもいい。これは、福笑いだ」
顔の輪郭のような台紙と、リアルすぎる眉、目、鼻、口……
「キモイんだけど。リアルすぎなんだけど」
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