ふくわらい

ミケユーリ

「お前に復讐のチャンスをやろう」

　ベジータばりに前髪の生え際Ｖ字の神が言う。

「なんで？」

「だってお前、怖かっただろ？苦しかっただろ？」

「超」

「お前を殺した男に、復讐するチャンスをやろう」

「だから、なんで？殺された人はみんな、チャンスもらうものなの？」

　もう、イライラするな、この神。話が進みゃーしない。

「私も人間だった時、謀反を起こされてなあ」

　神が苦虫を噛み潰したような顔をする。

「へえ。どこで？」

「本能寺ってとこなんだが」

「じゃあ神、あれだ。織田の―――」

　ぶ、と言いかけたところで、なんか、声が出なくなった。あれ？あれ？

「神のかつての名を呼ぶとは！許されざる愚行！」

　ちっ。呼ばれたくないならヒント出すなよ。中途半端だな、おい。

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