第25話私は最低な人間だ②

 涼花がいじめグループとどういう関係なのか探るためにも、涼花と接触しようと思った私は、涼花と仲直りすることを考えた。っといいたいが、この時は放課後のように心は真っ黒になり、つぶしたいという気持ちが強かった気がする。


「京香そのごめん。私、仲直りしたい」

 とりあえずこうしてくることは分かっていた。仕掛けてきたし、仕掛け返すことにした。

「私も涼花に知られるのが少し怖くて隠しちゃってた。だからさ、今日一緒に帰ろそこで相談する」

 その日も呼ばれていたけど、どうせつぶす相手なんだし、遅れて怒られても関係ない。

「わかった」

 これでまず違和感なんもなく涼花に接触できる。


「やっぱり京香っていい人だね」

 昼休みになり給食を食べたあと、私の席で会話をした。

「そんな涼花だって、私が距離置いたのに声かけてくれてうれしかった」

「京香」

 その時うれしそうな顔はしていなかった。笑顔はいつもと同じ。だけど、何かいじめられてた当時と似ていた。


 そして放課後になった。

「涼花帰ろ」

「うん」

 外に出て、すぐに昨日の隙間から行ける中庭的なところに向かった。

「ど、どこ行くの?」

「前にみつけたの、涼花にも見せようと思って」

 これはうそ。昨日の現場をみせ、動揺すうるのかどうか図るため。

「こ、ここって」

「この隙間から入るんだよ」

  しっかり動揺してくれた。これなら脅せばしっかり吐いてくれる。そう思った。

「広いでしょ」

「そう、だね」

「それでさ」

 つかさず胸ぐらをつかんだ。

「なに?」

「これ」

 私は昨日の動画を見せた。

「弟を利用したの?」

「いいや。陸君が困ってたから一緒に探したのはほんと。だけど、こんなことになってるって」

「いじめにあってたっていったでしょ。だから」

「あくまで隠すのかだったら」

 胸ぐらから手を放し直接首を絞めた。

「っちょ」

「ちゃんというなら放してあげる。どうする?」

 顔をそらし黙り込んだ。バカにしてるそう感じた私は力を入れた。

「このまま落ちてもいいんだよ」

「わ、あ、あた。ば、なず、が、ら」

 さすがに死ぬと思えば簡単にあきらめて自白するだろう。だが、手を離すとすぐに涼花は走り出した。

「ここ選んだ理由知ってる。それはね」

「!」

 次は後ろから首を絞めた。次は手ではなく腕で。

「逃げ道ここしかないんだから捕まるにきまってるじゃん」

 だんだんもがく力が抜けてきた。だから、拘束を解いて壁にたたきつけた。

「もう話せよバカ女。次はもっとひどいことするよ?」

「わ、わかった話すから」

 もう力が抜けきって逃げるすべがない彼女は全てを話してくれた。要するに原因は金銭関係。あいつらは涼花の状況は知らないけど、オプション制でいじめていたらしい。ボスである幸也が、他の仲間に殴るならいくらと商業をしていた。親が今では普通の人らしいんだが、一時期裏社会で生きてたらしくて、その話を聞いてまねていたらしい。そして、そこで得た報酬の1割は渡されていた。親が入院して大変な時期だったし、自分が犠牲になって弟においしいものを食べさせられるなら本望だと思って我慢したらしい。

「私を巻き込んだ理由は?」

「みんああき出してたの。私の反応いつも同じで。そしたらあいつが、だれか友達を犠牲にしろって。でも、私、京香しか仲いい人いないから、頑張るって言ったの」

 つまり、友達になったまでは自分の気持ち。だけどそれ以降は別の話ということ。

「それで、弟が熱出して休んだあと、学校に行ったらあいつ、何もしてないのにお金くれたの。しかもいつもより多めに。それで、新しいおもちゃできたからお前に「金だけやる」って。いわば口封じ。」

「それで」

「つらかった。毎日毎日。だから、あんたみたいな友達を捨てるくらいならって思ってしまったの」

 昨日言っていたやつ、あれも金の取引。

「京香だったらわかってくれるよね?許されようなんて思ってない。だけど、私は、京香のこと友達だと思って」

「もういいや。教えてくれてありがとう。さよなら」

「どこに?」

「なにって。あなたが押し付けてところ。今日も呼ばれてるから」

 とりあえず、あいつらをつぶさないと解決しないのはわかった。

「やっぱりやめて」

 涼花が腕にしがみついた。

「どうせ」

「嘘なんかじゃない!!。京香、体弱いのに無理して、私に隠すために無理して、つらかった。だけど、弟がいるからって、それを正当にしてた。だけど」

「そうやって友情を作るんなら、もういい。私はいく。離して」

 恐怖で手を離した。完全に私に圧力には勝てない。もう声すらも出ないほど恐怖の中にいた。それもそうだ。私は完全に切れてしまっていたから。

 このころはまだ時計の存在もなくただストレスがたまる一方で短気になっていたんだと思う。


 幸也たちの集まっている。ほぼ廃虚急に古い棟の教室だった。

「おいおせーぞぶす」

「あのさ、もうやめない?」

 とりあえず私が手を出す前にやめるかどうか聞いた。それで、やめるというなら、手を出すことはしない。

「別にいいぜ。大切なお友達が」

「だからもうそれやめろっていってんの。通じてないの?バカなんですか?」

「お前調子乗んなよ」

 幸也と一緒につるんでたやつが、私に殴りかかった。

「それが答え。くだらない」

 それをよけ、腹にけりを入れた。なぜ、こんな格闘めいた動きができたのかいまだにわからないけど、多分テレビの真似がうまいだけだと思う。

「お前の答えか?」

「もう一度聞く。もうやめろ」

「少し立場を忘れたようだな。金はいらねー。あいつをつぶせ」

 訳10人くらいかな。そこはあまり覚えてないんだよね。だってみんな弱かったし。

「こいつ攻撃当たらね」

 全員の攻撃をよけそれぞれに攻撃した。

「おい、幸也。こいつやべーぞ」

「使えねーな。っまいいや」

 幸也が鉄パイプを持って、私に襲い掛かってきた。

「もういいや」 

「しねー!!」

 幸也を近くで寝ていたやつを盾にして守った。

「おまえ!!」

 そのままそいつを投げつけけりを入れた。

「この程度なの?」

 それからというかずっとだけど一方的にぼこぼこにしてやった。そしてもう動けなくなるくらい。いや、動かすことのできないほどの大けがにしてやった。

 こんなに動けたのは怒りが私の力になったから。本来ならもうぶっ倒れている。


「京香!!」

 涼花はタイミングよく教室に来た。

「もう終わったよ」

「なにやってるの?」

「こいつらがしたことを1日であたえただけ。あとはあなたなんだけど、弟君にも悪いし、あなたには肉体的ダメージは与えないで上げる」

「それって」

「明日分かるよ。それより、救急車呼びな。あとこれ上げる。コピーもしてあるから不正利用は避けたほうがいいよ」

 カメラのデータをあげた。これをどう使おうがもう関係ないし。その時はそう思ったけど、今思えば、信じたんだと思う信実を話してくれると。


 この事件の最後は、わたし。っまあんなことしたし、許さるわけないと思った。そしたら、ママの迷惑になるし、涼花にダメージを与えるのはこれしかなかったんだ。それで、いつも帰っているときにトラックがほぼ同じ時間に来るところにむかいタイミングを合わせて飛び込んだ。これですべてが終わった。



 本当なら死んでるはずなんだけど、確か時計がここで表れて誰かに「これがお前の寿命だ。早くなったり遅くなったりする」みたいなこと言われて何か条件付けられた気がするけど覚えてないからいっか。


 これが今の私を生んだストーリー。今日あったことなんて、そんなにひどくはないと思う。今涼花が何してるかわからないけど、元気にやってればいいな。



 夜に日記を見てみた。するとほとんどの記憶が戻っているのが分かった。多分この日記に書いてある内容はしっかり思い出したんだろうな。アニメで例えたら第2シリーズ兄のいない生活の話だけ覚えているって感じ。そして、私は今日の出来事思い返していた。水をかけられさらにけられそのせいでムカついてしまった。それでもどうでもいいと思って、そしたら肩の力が抜けて心の中にあった宝石のようなものが砕けて、記憶が戻った。戻った瞬間、負の気持ちが強くなった。止めようと思ったときにはもう遅くて、ダメだとわかっていても怖かった。それに、あの日の辛い部分だけが頭によぎったせいで、友達すら裏切るかもしれなかった。だからお兄ちゃんがきて、よかったと思ってる。止めてくれてよかったとおもう。いやよかったのかな。違う。私お兄ちゃんの前で本当の自分になってしまったんだ。止めてもらえたのか?違うよね。私は、お兄ちゃんが止めようとしても聞かなかった。あの女がいなくなったから、兄だけになったから止めることができたんだ。あのまま逃げる力が残ってなかったら止めれていなかったんだ。本当にこんなのでいいの?この記憶が戻った以上また、負の感情が強くなったら我を忘れてしまいそうだ。だったらどうするべきなんだろう。私が、自分で止める方法ってやっぱり、1つしかないのかな

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