第23話 お兄ちゃん
何かでかい音が聞こえた俺は階段を上り一年生の教室に向かっている。京香ちゃんは関わってないと嬉しい。
「あ、京香の彼氏さん」
京香と呼び捨てるにしてるからにしておそらく昨日言っていた友達かな。まだまだ付き合ってることにしてるのかな。
「そうだけど。もしかして京香ちゃんと友達になってくれた人?」
「そんな、京香とずっと話してみたかったんですがその、近寄りがたくて」
まーあの子俺といる時以外近寄らなオーラ放ってたからしょうがないか。
「で、どしたの?」
「あ、教室に忘れ物したので取りに来たんです。ついでに京香用事終わったか様子を」
「え、京香ちゃん教室にいるの?」
「教室にいるかわからないんですが、用事済ませてくるから玄関で待っててって」
京香が用事あるからって玄関に待たせるだろうか。友達ができて喜んでた。だからこそ、大切にするだろうさ、教室で待ってもらう気がする。さっきの音が一年生の教室からして、
「京香が危ない」
「ちょっと先輩」
急いで教室に向かった。京香の友達が言っていたことと、さっきの音結びつくのは京香あの連中にいじめを受けている。多分、今のあの子は俺が言ったら絶対に怒る。だけど彼女だからとか関係なく見過ごすわけには行かない。
教室が近くなるにつれてなにか鈍い音が聞こえてる。
「もうやめて」
かすかだが、声が聞こえる。これって京香ちゃんじゃないよ。どちらかと言うとあのちょっかい出してたほう。どちらにしても急がないと。
「京香ちゃん。!!何やってるだよ!」
教室で見えたのはずぶれになっている京香ちゃん。そして京香ちゃんにちょっかいを出していた女が京香ちゃんに蹴られている。。その女の服はひどく汚れていた。
「はー。学校に残ってたんですね。あの女たちがちくったのか」
普段と全く違う。たまにみる興味のない時の京香ちゃんだ。いやそれ以上にやばい。
「いや、上から変な音したからさだよ。それより」
「先輩。この女は私の大切なもの汚した。それに、蹴ってきたんです。だから蹴り返していいでしょ」
たしかに京香ちゃんにも汚れはある。だが、そんなに酷いわけでもない。
「流石にやりすぎだよ。もうやめよ」
「先輩。ごめんなさいもう抑えられないんです」
ただ口ではもう止められなさそうだな。
「たす、けて。おねがい」
もう声をしっかり出すこともできねーじゃねーかよ。どうすっかな。ただ助けるだけだといつか京香ちゃんに復習とかもありえるしな。
「先輩どうしたんですか?」
あーさらにまずい。京香ちゃんの友達が追いついてしまった。この光景見せるわけにもいかないしな。
「美香子。ごめんもう少し待ってて今先輩きたから」
急に元の姿に戻ったな。まるで二重人格のようだ。それにしても京香ちゃんが庇うなんてやっぱり友達想いだな。
「2人なの?」
「うん。今先輩と今後の話してるから。終わったら行く」
「うんわかった。ゆっくりでいいからね仲直りしなよ」
仲直り?なるほど喧嘩してる設定か。うまいな。それなら自然に別れても違和感はない。
「よし、邪魔者はいなくなったし続きやろうか」
感心してる場合じゃねーんだよそういえば。
「もう、いや」
たしかに、あんな状態なら逃げる力はないだろうけど、それ以上に怖くて足がすくんで力が入らないんだろうな。しょーがないか。
「おい、誓え。今後嫌がらせとか誰にもしないと」
「うん。もう、しないか、ら」
こういうやつはこの場だけ言ってるかってことも多いが、こっちから吹っ掛けてそれはひでーし信じてウやるとしますか。うし京香を止めるか。
「先輩邪魔するんですか?」
「なーそろそろそれやめねーか。気づいてるんだろ。俺がなんなのか」
昨日見た日記あれが正しいのなら彼女はもう気づいている。「私はお兄ちゃんの近くにずっといます」っと書いてあったから。
「お兄ちゃん。そっちだって私の秘密に気づいてたんでしょ。私おかしかったから」
「まーな」
京香ちゃんも自然にアニメオタクを自白した。
「おい女。いいか俺が京香ちゃんを抑えるその一瞬で逃げろ。騒ぎにしたくなかったらこのことは誰にも言うな。水もかたしといてやるから」
「は、はい」
京香ちゃんは体が弱い。だから、耐久勝負にすれば確実に勝てる。
とりあえず普通におさえてみるか。
「そんなんで捕まるわけないでしょ」
俺の出した腕をよけつつも女に蹴りを入れてる。運動神経が良すぎるこれはまずいな。時間かけたら逃げれる力までなくなる。
「この!」
飛び込む感じでいってもきれいによけてきた。
「いた!」
蹴りは確実に入れる。だったらそこを狙うしか。
次は女に近いところに手を伸ばした。するとまた女の方に足を出し、けろうした。
「ここだ!」
股関節を抑え、持ち上げた。わかりやすくいえば逆肩車の体制になった。足の位置とか細かいところを言わなければ。
「今のうちに」
「すいません」
隙ができると女はすぐに逃げて行った。これで、あとは追いかけさせないようにすれば。
「おろしてくれない?」
やけに冷めたこえだ。
「お、おう」
いなくなったし本人も冷静になってるからおろしてあげた。
「いつから気づいてたんだ」
「お兄ちゃんに話すことはない」
「今度じっくり話そうや。今はあれだろ予定あるらしいし、文句ならその時聞く」
「もう私たちは赤の他人。」
それは間違ってないな。家族でもなく、付き合ってるわけでもない。
「あんなの書いといてそれはねーだろ」
京香は俺に何のためらいもなく体操着に着替えだした。もちろん俺には抵抗がしっかりあるので、後ろを向いた。
「じゃーねお兄ちゃん。そ、そのありがとう。話はもう少し待ってほしい。その覚悟とかほしいから」
「わかったよ。いつまでも待ってる」
着替え終えた京香は冷静さを取り戻していた。すべての状況はあったときに話すとしてとりあえず水をどうにかすしないとだな。
うっわ。紙がまじってて、床にへばりついてるし。ったく何の紙だよ。きれいに1まい奇跡的にも赤い字で書かれているのもがあった。それが80と書いてあった。そして、かすかだが、京香と書かれているようなところもあった。つまり、これは京香がなくしていたテストのプリント。あいつに取られてたのか。それで、取り返すために何かをして、あの状況。つまり、京香が一方的にやっていたわけえではない。そんな奴だとは思っていたが、ほんと京香ってわからねーな。結果なんて後でもらえるっていうのに。
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