第19話 櫂との放課後

 京香ちゃんと別れる覚悟でいたおかげで、あまりがっかりはしていなかった。どちらかといえば京香ちゃんの今後の応援をした感じ。


「お2人んさんが今別れるとはね」

 それでも多分少しは顔に出ると思って櫂にはそのことを話している。

「わるいな」

「いや俺は別にいいけど。っさいこうか」


 櫂と遊ぶといってもゲーセン行ってゲームするくらいだ。それが俺らの遊び。服選びとかはまったくしない。

「はずした!!」

「ばっか」

 櫂とシューティングゲームをやっている。だが、ボスにまったく弾をあててくれない。

「あたらねー」

 まだ弱いボスだから俺がしっかりあてれば勝てるけど俺もこの手のゲームあんまりやんないから結構外しているし、難しいな。

 youloose

 負けてしまった。まさか一面で負けるとは。

「いやー強かったな相手」

「お前が当ててれば勝ててたよ」

「悪かったって。次ホッケー行こうぜ」

 切り替えがはえーな。高校生2人で一面すら勝てなかっただから少しは落ち込めよ。

 

 ホッケーは2人で結構対決している。戦績は多分同じくらいだろう。

「おら!!」

「いった」

 櫂が全力で打つとパットをはじくだけで腕が痛い。

「りょうちん腕が落ちたな。見よこの黄金の…あれ?」 

 ためている間に少しづつゴールに向かっていき、打つ前に中に入っていった。

「やってもうた。なかなかやるなりょうちん」

「自爆行為だけどな」

 だいたい1試合でこれを3回くらいはするな。油断したら大体自爆がお約束だ。

「ゼロ距離カウンター!!」

 でた!櫂の得意なゼロ距離カウンター。この技は相手のスマッシュを自分のコートに入った瞬間に打ち返す技だ!!これは反射神経がいい人が使える禁じ手って、なんで俺実況してるんだよ。わかりやすくいえば俺は奇跡で当たることを信じる以外にこれはとれない。

「これで1-1」

「だったら」

 直接ゴールをした。これは禁じ手といっていいほど強い直接ゴールを狙ってうつ。自分のタイミングで打てるところから強い。

「あ、ずる!!」

 それにゼロ距離カウンターをすると台の真中にくる。だからこのタイミングでやると最強なのだ。

「だったらすぐ戻るんだな」

「っく。だったらおら」

 櫂がすぐに打ってきた。っま普通に打ち返すけど。

「なでだよ!!」

「いや普通に返すだろ」

「だったらこうだ!!」

 普通の弱い弾だな。打ち返すか。カウンターやりずらいようにうまく跳ね返らせて。

「おら!!」

 次は強めに打ってきた。しかし端にあたり自分のほうに跳ね返った。

「おら!!」

 やっべ反応できない。

「こうだ!!」

 早くなった弾は俺に反応させず入っていった。

「神技だ!!」

 なぜ神なんだよ。

 

 そして激闘のすべ8-8になり、ラスト30秒おそらくこれが最後になりそうだ。

「ゼロ距離カウンター!!」

「っち」

 うまく返せた。しかし近場にいるときに緩い弾。これはまずい。

「決まりだ!!」

 すかしすごく弱い弾が帰ってきた。

「ハイ終わり」

「ふん待ってたぜ」

 俺がおもいっきり打つとそれをカウンターしてきた。反応ができない。

「逆サイド打ったのによくとどいたな」

「逆に打ってくると詠んで伸ばしただけ。普通にやったらあんなことはできんよ」

 負けたけどすごく楽しかった。久しぶりにこいつと何も考えずに遊んで。

「疲れたしそろそろお開きにするか」

「もういいのか?」

「俺はもう楽しんだ。あとは1人でゆっくり」

 櫂が1人で帰っていった。あいつバカなのに気を遣うのうますぎるだ。でもまー。わかってんじゃねーか。

 櫂と遊び終わってあらためてわかれたことを思い出した。俺はバカだった。やっぱり悲しいんだ。俺京香ちゃんの別れて、すごくつらい。ただ、迷惑かけないように隠していただけだ。俺だって子供じゃねーかよ。



 家に帰りすぐに寝ることにした。何も考えたくないこれ以上考えたら絶対涙出るから。

「良太帰ってきたか」

 父さんがいた。

「どうしたん?」

「母さんとお茶」

「いってらっしゃい」

「おう」

 今はあまり話したくなかった。今は1人になりたかった。早く眠りたかった。

 ベットでしっかり眠りに入っていった。


「ここは?」

「命の時計がある部屋」

 俺の隣に姿かたちは人型だが、仮面をかぶった人が現れた。

「お前は?」

「未来に導く神」

「嘘だろ」

 導くと聞いて前に見た灰色の光のやつだ。

「お前、これでいいのか?」

「なにがだ。決めたことだ。関係ない」

「だが、時計は止まっていない。このままだとタイムリミットが訪れる」

「それを信じろと?」

「お前もあいつもあほだな。未来をせっかく見せてやったのに、最悪なものを選んだこのままだと後悔するぞ」

「しないから安心しろ。すぐに忘れる京香ちゃんのことは」

 何か普通に会話しているが、普通に怪しいよな。

「忘れれるのか?」

「何が言いたい」

「それでいいなら俺はもう止めないあいつが死ぬまで、マーせいぜい楽しむんだな」

 神を名乗る男は空気のように消えていった。そしてまた強い光が放たれた。

 目を開けると現実に帰っていた。未来を導くもの。どういうことだよ。昨日見た夢が未来とでもいうのか。あほだろ。馬鹿にしすぎだ。俺と京香ちゃんは2人で消え目たことだ。だからこそこの意思は変えない。それが俺たちの愛なんだから

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