第18話 期末テストを終えて

 期末テスト2日目は順調に終えることができた。そして数学以上の難関の英語にが始まろうとしている。今日はひたすら復習と出そうな問題をたくさん解いていった。ミスもあったがほとんどが正解していて彼女自身も少しは自信を持っていた。だが、何か京香ちゃんは元気がない。心配になった俺は今日の夜、一緒に泊まることにした。そしてもう寝る時間を迎えている。

「今日元気ないけどどうした?俺がいなくてさみしかった?」

「いえ、その、この話してはいけないと思ってたんですが、いっていいですか?」

「いいよ話しな」

「先輩といると先輩と一緒にいる夢を見るんです。ですが、先輩がいないときは毎回先輩に見放され見捨てられる夢を見るんです。それで、テストが終わったら私、見捨てられるんじゃないかと思うと怖くて。それで、もしその未来がくるのなら、少しでも先輩といたいって」

「京香ちゃんはどうしたいの?」

「今もあの日と同じで、結婚したいしずっと先輩と一緒にいたいです。でも、先輩が私をうざいと思っているのならと考えたら割れるべきなんじゃないかと思って」

「じゃー今聞くけどもし赤点を回避しても付き合っていたい?」

 京香ちゃんが見ている夢が正夢だとしたらその未来を変えることで、救われるのかもしれない。だったら一緒にいるに越したことはない。

「それは私にもわからないです」

 さっきは一緒がいいといったが、それでも付き合うままかわからないといっているのか。

「なんで?結婚したいなら」

「先輩と結婚したい。でも、できないんだと思います」

「なんで?」

「あくまで仮説ですが、先輩は記憶ない時の私に関係しているのと思うんです。理由としてはお母さんが、無理やりにでも私にこの高校に行かせたことですね。あと、正直な話先輩は初めて会ったはずなのに、教え方が自然だった。もし昔教えていたのだとしたら私自体はあまり変わってないのだとしたらと考えました」

 彼女のこの仮説相当の分析力がある。ほぼ全部当たっているし、見抜いている。だが、記憶がない以上確信を持てていないってところだろうな。仕方ないが、ここまで真剣に考えまとめてくれたことだし、隠すわけにもいかないが。

「ごめん初めて君の親と会ったときから君のことを知っていた。だけど、これを話すべきなのかはわからないんだ」

「それも知ってます。先輩が知っている私の信実。もしそれを私が聞いたら、関係が崩れるのは確実なんですよね」

 すべてを悟られている気がする。いやこっちの考えをすべて分析だけで答えに導いている。

「京香ちゃんはそれを知りたい」

「知りたくないです」

「え?」

 ここまで分析したのに聞きたくないのか。

「だって。それを聞いたら私たちは恋人関係から離れてしまう。それが、夢なんだと思います」

 その考えもあるのか。この話をしたせいで生まれた夢。どっちに転んでも京香ちゃんの見た未来はありえるってことか。

「とりあえずだ。明日のテストに向けて寝ないか?」

「え、この話しないでですか?」

「悪い今は話したくないんだ。終わって、俺がい言う覚悟ができたらちゃんという。だからその時は約束してほしい。どんな未来があってもそれを受け入れるって」

「わかりました」

 京香ちゃんは俺の服を握り目をつぶった。そして自然と寝ている。寝るのだけは相当早いから京香ちゃんは。

 それにしてもあの京香ちゃんにここまで分析されるとは思っていなかったな。もう一度あの影らしき光と話がしたい。あいつなら何か知っているかもしれないし。そう信じ俺も目をつぶった。


「先輩どこですか?」

 前と同じ真っ暗なところにきた。今度は完全に何も見えない。目を開けようがつぶろうが景色は変わらない。そして前とは違いはっきりと京香ちゃんの声が聞こえている。

「京香ちゃん」

「あ、先輩。いない。気のせいかな」

 俺の声は聞こえているようだ。

「こっちだよ」

「先輩!!。いない。どこなの先輩」

 少しずつ涙声になっていた。

「先輩私はここにいます。一人にしないでください。私はここにいますから」

 泣き出した。彼女を呼ぼうとしているが、ついに声がでなくなった。

「これが今後訪れる未来。ここに光を当てない限り、お前らに未来はない」

 声が出ないから何も聞くことができない。

「いや。怖い。先輩。先輩!!」

 早く起きてくれもう京香ちゃんの声を聴くのがいやなんだ。あんなつらい声、耐えれない。

「あ、先輩そこにいたんですね」

 急に泣き声からすごく優しく元気ないつもの声になっていた。

「先輩私はずっと一緒です」

 なんだこの違和感。すごく嫌な予感がする。


「先輩起きてください」

 さっきとは違うところから声が聞こえる。

「先輩!!」

「はっ!!!」

 起きれた。

「どうした?京香ちゃん」

 夢の中で聞こえた涙声と似ている。そして、体が震えている。

「今、私。先輩がみえてそこに向かったら目のまえに車が」

「真っ暗な空間」

「何で知ってるんですか?」

 つながったのか2人の夢が。あの時の違和感は京香ちゃんが事故にあおうとしていたからか。

「もう1人いただろ」

「いえ、私と先輩の声だけでしたよ」

 つまり京香ちゃんの夢には謎の影があらわれていない。俺のほうも声だけだったからしっかり見えていないことから夢の若干の想像違いみたいなものか。だが、もしそれを踏まえたとしても2人が夢でつながることはありえるのか。

「先輩」

 まずいな。助けるために泊まったはずなのに少し話したせいで逆に心配させさらに夢のせいで不安も作って今しまった。これで英語を迎えるのはまずいだろ。

「大丈夫だよ。心配させないために今いっておくとまず俺と京香ちゃんが離れ離れになることはないから」

「ほんとうですか?嘘じゃないですよね」

 すごく心配されてるなー。無理もないか。あんな夢見てへんなムードになってきてるし。

「うん。俺は言い出しっぺだし京香ちゃんの思うようなことをする。それは好意をもっているから」

「なら、よかったです。なら明日テスト終わって点数分かってからの報告もそんなに緊張しなくていいですね」

「そうだな。今はしっかり寝よ」

 何が気に食わないんだ。京香ちゃんが俺のことに気づいたように、俺だって京香ちゃんがまだ何か無理してるのがわかる。何が気に入らないんだよ。どんな答えが望みなんだよ。



 そしてテスト最終日を迎えた。


「大丈夫か?」

「はい。頑張ってきます」

 昨日と変わらず何か元気がない。

「!!なんですか?いきなり」

 京香ちゃんのほっぺを軽く2かい叩いた。

「笑顔忘れてるぞ。緊張とか不安とかいろいろあると思うけど笑顔でいれば大丈夫だよ」

「先輩は、やっぱりいい人ですね先輩を選んで正解でした。私必ずいい点とって見せます」

 まだ作り笑いなきもするが、少しは元気を戻したらしい。

「じゃ。放課後」

「はい!!」

 俺もくよくよしてられんよな。こんな上から目線で言っておいて終わってしまうとかかっこわるすぎだろ。




 うっしテスト終わり。今回のテスト結果としては確実にいつもよりは低くなってるだろうな手ごたえあんま感じないし。っま今回に関しては京香ちゃんがしっかり点数とれたら俺の完全勝利にだからいいけど。

 

 昨日までならすぐに俺のところに来ていたが、しばらくしてもこないな。テストの後は普通に授業あるしそれの影響かもな。

「りょうちん」

 すごく絶望な顔をした人が俺に声をかけてきた。案の定櫂だ。

「どした?」

「テストやばい」

「そういっていつも大丈夫なんだから大丈夫だろ」

「だよな」

 毎回のテストはこのくだりがある。

「そうだりょうちんっさ。今日の放課後彼女と何かある?」

「今のとこ決まってないけど」

「遊ばね?」

 そういえば櫂ともテストが終わったら遊ぶ約束していたな。

「京香ちゃんから許可でたらいいよ」

「OK」

 京香ちゃんもさすがに1日くらい男友達と遊んでも文句言わないよな。同伴っという形はまだ考えれるけど。


 そして昼休みも京香ちゃんは現れず放課後まで来てしまった。何か本人も考えたそうだったし、俺も会いに行こうとはしなかったし。

 放課後になったし、さすがに話に行くか。櫂との約束もあるし。


 京香ちゃんの教室に行く途中におとといちょっかい出していた女と一緒に男のやつとすれ違った。今日は一緒にいないのか。

「あ、先輩。またあいつちょっかい出してるっぽいので止めに行ったほうがいいっすよ」

「お間ら止めないのか?」

「女のどうしの喧嘩にかいにゅうするわけないっすよ。それに京香と聞いて手を出す奴なんていないっすよ」

 こいつらも悪そうだし、京香ちゃんが起こした事件を知ってるんだろうな。

「わかった」


「帰っていい?そこに先輩来てるんで」

「まーた逃げるの?」

 京香ちゃんの目は冷徹を放っている。あれは人間にする目じゃないだろ。怖いし、完全に興味がなさそうだ。

「あなた程度に話すことはないだけ」

「は!!」

「その辺にしておけ」

 このまま京香ちゃんを怒らせる方向になると確実に危ないし早めに止めに入った。

「あんたは邪魔しないで」

「行きましょ」

 京香ちゃんは完全に無視して俺の手を引っ張り教室をでた。

「あれでいいのか?」

「いいですよ。あんなの。ところで先輩。今日はどうします?」

 ついにはあんなの呼ばわり。そのうち雷落ちそうだな。

「それなんだけど、櫂って男友達と久しぶりに遊びに行きたいんだけどダメかな?京香ちゃん元気なさそうだしやめとこうかと思ったけど友達、部活で忙しく予定合わないからさ」

「そうですよね。先輩ずっと私につきっきりでしたしね。そうしてください。私も結構疲れてるので家でゆっくり休みます。テストも大丈夫そうですし」

 朝より力が抜けて楽になってるのかあの時感じたものはほとんど感じれなかった。「あ、でも、その前に私の話聞いてもらえますか?」

「何?」

「私。考えました。たった数時間先輩がいないと不安になってましたし、私、先輩が必要だって」

 これ完全にこれからどうするかの話だよな。この感じからして、俺はもう京香ちゃんが言うことはわかった。

「先輩がいないと不安になって。だけど、ううん。だからこそ私は正しい答えを考えました。先輩、」

「わかれよだろ」

「気づいてましたか」

 やっぱりこれが答えなんだな。あの話を持ち出したとき多分決めていたことだろう。だけど勇気がなかった。それは俺という人物が大切だったから。本当に好きだったから。でも、夢を見て怖くなりわからなくなっていた。

「さすがにな。でも一応だけど理由聞いていい?」

「結婚したい。その気持ちは変わりません。でも、私絶対先輩の迷惑になることをすると思います。好きだからこそ巻き込みたくないというか。そのまた先輩に頼ることもあると思いますし、次の試験は先輩からならった勉強ほうもいかして頑張りたいですし。だから今は分かれて、今後2人の未来がまた繋がったら」

「また付き合おう」

「はい!!。だから先輩お元気で」

 これが正しい答えだ。兄妹のことも話さなければ京香ちゃんが気付くこともない。そして、自分だけでできるようになりたいという京香ちゃんの意欲も尊重することができる。俺は普通の生活にもどるだけだ。誰も傷つかず、誰にも迷惑にならない方法だ。

 最後に彼女の笑顔を見れただけでも俺は幸せ者だ。妹入れてほんと楽しかったなー。これであとは距離を置いて完全に2人が合わなければいい。それで元の生活になる。再婚はさせてあげられないけど許してくれると信じたい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る