第10話 ちょいとばかし彼女はすごかった
20分の風呂は相当きつかった。でも20分たったしそろそろ部屋に戻ってもいいよな。時間的にもちょうどいいごろあいだろうし。
「京香ちゃんもう入っていい?」
何も返事がないな。もしかして寝たのかな。
「入るよ」
扉を開けると俺のバッグのものが全部出されていた。そしてその中にあった京香ちゃんの日記帳が京香ちゃんの手元にある。
「何でこれを先輩が持ってるんですか?」
「本もらったときに入ってたんだよ。でも中身は見てないから」
「私に見せるなって書いてました。それは見たんですよね」
まさかこんなことになると思ってなかった。普通に日記をバッグに入れっぱなしだったのは失敗だった。まさか開けるなんて思わねーし。うまくごまかすしかないよな。でも、ごまかせるだろうか。確実に今の彼女は怒っている。
「みたから隠した。だけど京香ちゃんの物だとわかったから見れなかった」
「それは私の過去をお母さんに聞いたからですか?」
今の彼女はいつもと違い聞いてくることが鋭すぎるし的確過ぎる。完全に彼女のペースで話が進んでいる。なんとか形成を変えないと。
「ちゃんと説明するから」
「じゃーお母さんと隠してること話してください」
「隠してるなんて」
いつもの彼女では絶対に見えないほど今の彼女は強気だ。どうにか誤魔化さないとだろ。頭をフル回転にしろ。
「初めて先輩が私の家に着た後から少し変わっているのに気づかないと思いました?あれから私の事なんか守ろうとしてたというか。私の秘密きいたんでしょ!!」
おそらく今の京香ちゃんが言っている秘密については聴いていない。それに圧がすごい。俺が有利になる状況を作れない。
「秘密なんて聞いてないししてないから」
「じゃー質問変えていいですか?」
「答えれるやつだったら」
流石に兄妹についてとかじゃないよな。だが、今の京香ちゃんならなにかを掴んでいるのは確かだ。もし気づいてしまったのならしっかり話そ。
「嫌いになりました?」
「え?」
いったい何のことを言っているのだ。
「こんなことして、嫌いになってないかなって」
さっきまでの怖い顔からいつもの幼く可愛い顔に戻った。
「ごめん理解できてない」
頭の整理をしてみてるが全く理解できていない。書いてきたこともあっているし日記も見られた。それで、俺は答えが出さずにいた。なのに普通に戻るとか理解なんてできるわけない。
「私怒ってないですよ」
「いやいやいや」
「普通の恋愛を知らないので、どうすればいいのかわからないんですよ。だから、先輩のバックから日記見つけて怖くなったんです。そう思ったら色々思い出して。でも先輩は私がどんなに追求してもないって言ってくれました。それを信じるだけです」
そう言われると安心したがすごく心が痛い。隠していることはあるから。
「びっくりしたー。日記は返すよ。ごめんね」
「いや、読んでもらえないですか?私のことをもっと知って欲しいですし」
「わかったよ。ならテスト終わったらね」
今これを読んだことで残り2日を無駄にするわけにはいかない。
「わかりました。その時までは持ってますね。じゃー勉強始めますか」
切り替えが早いなー。まだこっちはそんなテンションにならないって。ま、俺がやるわけではいしいいか。
「で、何からする?」
「歴史はもう大丈夫ですし数学も先輩からたくさん教わったので完璧です。理科も元素覚えたら簡単でしたし、あとは国語の中でも漢字。あとは英語ですね」
思ったよりやることは少なく見える。が、俺は忘れていない。彼女とある1教科だけ、今まで覚えたものは1%に満たないくらいギリギリな教科。
「英語やろうか」
「え、」
「やろうか」
「はい」
すごく落ち込んでしまった。とはいえOneだけで赤点回避することは無理だ。京香ちゃんが避けすぎていたことと歴史のせいで完全に忘れていた最大の壁。ここまできたら回避させたやらないと。
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