第6話 ついに期末が。そして絶望てき状態に

 あれから毎日勉強付けにして1か月くらいがたった。ついに期末テスト2週間前になった。2週間前になるとテスト範囲が発表される。

「お前流石にまずいって」

 俺も京香ちゃんからテスト範囲を渡されて度肝を抜いてしまった。なんと歴史は歴史だし、範囲も間違っていないが、そこに書かれた内容が俺の教えていた内容と全く違う。

「いやでもほら」

 どおりで去年より簡単だと思った。この教科書、歴史は歴史でも、中学の教科書だった。小学レベルの勉強と並行していたとはい、俺も気づかなかったのが悪いな。

「お前、授業中に何見てたんだよ!!」

「なんか内容違う気がしたけど私が知らないだけかと思いました。それに、先輩の内容がわかりやすくて先生が下手なんかと」

 やばい。どうしよう。間に合う気がしない。他の教科を捨てるべきか。数学なら、なんとか公式を覚えたから赤点回避の奇跡を信じることはできそう。国語は点の取れる箇所がそろえばなんとかなるし、理科も同じことが言える。しかし英語が壊滅級。そこに一番覚えさせた社会がリセットになってしまった。それがまずすぎる。今でもぎりぎり覚えれてる程度なのに、これから新しいことをお覚えさせるとなると他のことを忘れる可能性もある。それで他の教科が悪くなればオール赤点の可能性がある。だったらここで社会を捨てるほうが適格でありそう。だが、いきなりこの作戦をすれば、今後も捨てることを覚える可能性がある。それはそれで、今後の息抜きとなりそうだしやばい。

「まだ余裕あるし、今日は休みにしよう。予定組みなおしたりするから」

「すいません」

 

 とりあえずアニメショップに言って心を落ち着かせよう。冷静になればいい案出てきそうだし。

「あれ良太じゃん」

 帰り途中に俺と違う制服を着た女子高生が声をかけてきた。

「知り合いですか?」

 見たことはありそうだが、全く覚えていない。

「私そんな変わったかな。蓮花だよ」

「あ、二宮」

 二宮蓮花(にのみやれんか)。俺の幼馴染だ。忘れていた理由は彼女が中学の時に進学校に行くために遠くに行ったからだ。メガネっ子になってるとは思っていなかったし。

「元気そうね。ねぇ久しぶりに会ったことだし遊ばない?」

 教科のテストがあるから今は一刻も早く予定を練り合わせないと。そう思った俺は一ついい考えを浮かんだ。

「いいけど少し相談乗ってくれない?」

「何何?恋の相談?」

「勉強の相談」

「勉強?別あんたのためならいいか」

 こいつは進学校に行っている。高校も進学校に入学したと聞いている。つまり俺よりも確実に頭がいい。だったら2週間で0点から赤点回避まで行ける方法を聞こうかと思った。


 2人で近くのショッピングモールに行った。

「これどう?」

 どちらかというと買い物に付き合わされている。彼女の服を選ぶ手伝い的なのをしている。蓮花はトレンドとかよくわからないらしくいろいろ教えてほしいらしい。

「いや今ならこれだろ」

 俺もトレンドには疎いせいかなぜか京香に似合いそうな服を選んでしまう。

「ふーんそうなんだ。着てみる」


「どう?」

 うーん。やはり、京香に似合いそうな服だからなんか似合わない。

「俺は好きだよそれ。若干似合っていない気もするけど」

「ならこれでいいや」

 俺の全くないセンスの服を買ってしまった。


 それから2人で喫茶店に入った。

「で、勉強で何悩んでるの?」

「テスト2週間前で0から赤点を回避する方法ある?」

「なるほどね。あんたは短期型だし彼女かなにか?」

 なんで俺が短期型なの知ってるんだよ。こいつは京香のことも離れ離れになったことも知っている。だからあいつのことを彼女といってもいいが、バレたときに何かあるとつまりそうだよな。

「彼女でなく友達だよ、しかもそいつ男だから」

「そ。なら彼女いないんだ」

「いねーよ」

 実際はいるけど。

「徹夜付けとかひたすら暗記。どちらにせよ。その人自身の努力があればできる。結局は学習量と思えばいい」

 思った回答ではなかった。こいつも俺と同じやり方なのか。違うとしたらこいはその努力が多いだけ。だとしたらもう完全にチェックメイトだ。こっちの完全なる敗北といっていい。努力ならなんとでもなる。しかし、今のあいつにのペースで間に合わない。だからこいつに頼んでみたが、結局時間の無駄になった。

「あと一つの方法はあるけど当たる確率はなくなるよ」

「なんだ?」

「その友達が赤点になりそうな教科の前回のテストを貸してくれない。あとテスト範囲も。明日までに仕上げるから」

 仕上げるってどうやってだよ。

「テストのコピーもらってるし、別にいいがガチでぎりぎりなんだぞ」

「私に聞いたってことは、それでも希望の光はあるってことでしょ。その光があるだけでも勝機は見えている」

 こいつの天才的考えは俺に分かるわけがねー。だが、こいつの頭に完成したビジョンを信じるしかない。

「信じるぜお前の作を」

「私の作?何言ってるの。あんたが妹にやった作でしょ。明日はこの場所で集合よろしく」

 俺が妹にやった作?そんなのあったけな。だが、妹に効果があるなら確実に勝てるな。明日が楽しみだわ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る