第13話『お祖父ちゃんは凄いです』


RE滅鬼の刃 エッセーノベル    


13・『お祖父ちゃんは凄いです』   






 いやはや、お祖父ちゃんは精力的な人です(;^_^A




 三学期も真ん中に差し掛かったわたしは、進路希望調査票にどう書こうかとか、進路に関わって評定をどう上げるかで、ちょっと一杯です(^_^;)。


 わたしは『けいおん』とか『女子高生の無駄づかい』とかのアニメが好きです。好きな声優さんが、ぜんぜんキャラの違う役の声をやってらっしゃって(律の声優さんがリリー、ゆいの声優さんがロボを、とか)興味深いこともあるのですが、女子高生の日常をほのぼのと肯定的に描いているところが好きです。


 実際の女子高生の日常なんて、不安とかシンドイことやめんどくさいことの連続で、アニメのように楽しくはないんですけどね。


 ふたつとも、進路希望調査の話が出てきます。


『けいおん』ではゆい(ギター)と律(ドラム)の二人が、『女子高生の無駄づかい』ではバカとヤマイがまともな進路希望調査票が書けなくて、本人たちだけでなく、仲間や先生たちもヤキモキします。


 進路……そんな未来の事は分からないって書いたキャラがいたように思うんですが、同感です。


 わたしのリアルって、アニメのように面白くはないし、ウィットも無いし、根性もありません。


 だから、無難に文系進学。できれば特推。


 受験勉強なんて御免だし、お祖父ちゃんも「学費ぐらい任せとけ」と言ってくれますので甘えています。


 正直、専門学校や就職も頭の中にはあります。じっさい、ゆいや律やバカ、ヤマイのようにフワフワしてるんです。


 文系特推から専門学校、就職への乗り換えは楽にできるんです。祖父との二人暮らしという環境なので、そういう変更をしても「お祖父ちゃんのことや生活の事を考えると……」と言葉を濁しておけば、友だちも先生方も「そうか、栞も大変なんだよな……」と同情してもらって、変更できます。どう転んでも、栞はいい子だって思われていたいんですよね。


 けっこう卑怯者なんですよ。


 お祖父ちゃんは凄いです。


 だって、学校の先生ってサヨクばっかじゃないですか。ちょっとネトウヨっぽく生徒に言う先生もおられますけど、それって、今の高校生が右っぽいから、それに合わせたポーズです。職員室に行ったら組合の掲示板というのがあって、下にロッカーがあります。その上に、月替わりみたいに署名用紙が載っていて、ネトウヨ先生の名前もあったりするからです。先生だって、人に嫌われたくないんです。学校で人って言えば生徒と同僚ですからね。ま、世間に合わせるというか恭順の意を示す的なことも必要なんでしょう。


 あ、非難じゃないですからね(^_^;)、世の中って、こういうことでうまく回ってるんだと思います。


 昔は、もっとすごかったと思うんですよ。それこそ、入学式に日の丸も揚げられないくらいに。


 そんな中で、ずっと、自分の思うところを貫いてきたお祖父ちゃんは偉いと思います。素敵です。




http://wwc:sumire:shiori○○//do.com


 Sのドクロブログ!




 言ったら傷つくから言わねえけどさ、クソジジイって、ほんと友だち居ないのよ。


 もう七十だからな……。


 それとなく言ったら、そーゆー言い訳すんのよ。


 昭和28年生まれだよ、70なわけないじゃん、まだ67だよ。そーゆー四捨五入って悲しくね?


 昔は居たらしいよ。一回だけだけど、小学校の時、クソジジイの友だちがやってるイタ飯屋ってのに連れてってもらったことがあっけどお。その人は五年前に亡くなっちゃってさ。


「いい奴は、みんな先に逝っちまう……」


 て、葬式帰ってから喪服のまんま指折んなよ!


 せまい学校の中でさ、職員会議とかでさ、日の丸演説したって虚しいだけっしょ、そりゃ、友だち失くすわ。


 黙って俯いてりゃ、頭の上通り過ぎんのにさ。


 学校が左っぽいなんて、近所の犬だって知ってる。「お手!」ってゆったら左手挙げるもん。


 で、世間が学校よりも右っぽいことも知ってる。


 で、フツーの人の生活って、そーゆー右とか左とか言わないで回ってるぞ。


 あたしが進路に臆病なのはね、このごろクソジジイの肝臓と糖尿と血圧の数値が悪いから……血液検査の結果、むき出しのままテーブルに置いておくのは無しだぜ。


 あたしが好きなのは『女子高生の無駄づかい』のバカ。


 知らない人はいっかい見てよ、きっとおもしろいから。


 


 


 


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る