第4話 Ugly
これは私なのだろうか?
最近鏡を見ると思う。
あなたから逃げ続けているから、ストレスが溜まっているのだろう。
昨日なんて深夜にやってきて、私の楽しみの邪魔をした。
せっかくいいところだったのに、あともう少しのところだったのに。
最近は特にしつこいよ。
プロのストーカーでもお手上げさ。
警察は頼りにならないし、この手の事件は難しい。
どんだけあなたは暇なんだろう。
こんなに私を追い回してさ。
さっきも私は言ったけど、最近は特に醜いよ。
私のどこがいいんだろう?
あなたに直接聞いてみたい。
どんなに数を上げてもさ、許す気はないけれど。
私はもう今年で30歳になるけれど。
周りは結婚してたりして、子供がいる子もいるけれど。
なんで私の周りにはあなたしかいないんだろう。
夢みる少女ではないけれど、少しくらい見たっていいじゃない。
なんで邪魔ばかりするのだろう。
少しは助けてくれてもさ、罰は当たらないんじゃない?
嫌な事があるたびに、あなたのせいにしたくなる。
あなたのせいじゃないことも、あなたのせいにしたくなる。
私は最近嫌な女。
私はとても醜い女。
こんなはずじゃなかったのに。
みんなのように幸せが、私を包むはずだったのに。
包んだのはあなただけ。
私が嫌いなあなただけ。
その手を私は振り払って、何度も何度も逃げるけど、そのたびあなたは捕まえる。
白鳥になれない私のことを。
アヒルはいつでもアヒルのまま。
いつかは白鳥になれると、期待してはみたけれど、さすがに私でも気づくから。
童話は童話であることを。
醜い私は気づくから。
今年も冬がやってきて、私を冷たくさせるから。
いつでもあなたがやってきて、私を冷たくさせるから。
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