第2話 水色の妖精


 プランターの後ろにいた妖精さんは赤紫色に染まったワンピースをまとっている。本物なのかな?人形とかかもしれない。でも関節にあるつなぎ目が無い。少し触ってみよう。

 そっと人差し指でつつく。ぷにぷにしてて少し暖かかった。

 ほんとに妖精さんだ。どうしよう、もしかしたら人間に見られたらダメとかあるかも。そっとしておいた方がいいのかな。

 ふと、さっき触った人差し指が湿っているコトに気がついた。見ると淡く赤く染まっていた。

 もしかしたら血かもしれない。

 土がついた体をそっと持ち上げて部屋の中に連れて行く。涼しい風が体温をさげる。あんな暑い所にいたら死んじゃう。



 お風呂場でおけにお湯を張る。

 まだ目を覚まさない妖精さんの服を取る。血が付いているから、すごい傷があると思ったら、一つも無かった。人形と間違えてしまうくらいきれいな肌だった。それに羽が生えていた。

 妖精さんの服を石けんで洗う。

 すると、血の赤が取れて水色が現れた。

 妖精さんは濡れタオルで拭いた。水をかけたら溺れてしまうかもしれない。

ふと見えた。妖精さんはピアスを付けていた。

外国にはピアスをつける国があると友達から聞いたことがあった。妖精の国にもそういうのがあるのかもしれない。



 自分の部屋に行き、人形の服を着せた。そして、ティッシュ箱とタオルで作ったベットに寝かせる。

 静かに寝返りを打つその姿は、やっぱり妖精なんだと思えた。

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小さな妖精 大西 詩乃 @Onishi709

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