28話 リコって白ギャルっぽくないです?
まだ雨はやまない。
「そうだ先輩、二人見て最初なんか感じませんでした?」琴音は僕の方を見ながらたずねる。
「え、なにが」振られた僕はなんのことかわからず聞き返す。
「ほら……雰囲気とかっす……普通の生徒となんか違くないッス?」
僕はスイとリコ二人を交互に見比べる。
「……強いて言えばギャル的な?」
「あ~そうっすそうっす! ギャルっぽくないスか? リコが白ギャルでスイが黒ギャルみたいな」
「ことねいつもそれ言う〜。別にギャルしてるつもり無いんだけどなぁ……」リコは自分の髪をいじりながらいう。
「ほらその髪、金髪じゃないッスか。ギャルっスよ〜」
「……地毛じゃない? 染めてるような感じじゃない気がする」僕は推測する。流石に金髪に染めてたりしたら校則的に怒られるはずだ。地毛なら学校に申請すればなんとかなりそうな気がする。この学校には外国からの留学生もいることだし。
「お、パイセン正解。おじいちゃんがアメリカの人でさ〜クォーター的な? あ、ちなみに英語はまったくできませーん」リコは肩をすくめる。
「あとおっぱいでかいし」
「それは関係なくね? でかいやつみんなギャルになるよ」リコは突っ込む。確かに胸は大きい。ブレザーを着ている状態からでもよくわかる。彼女を見ていると視線が自然と向いてしまう。
「化粧もしてるし」
「いや化粧ぐらいするっしょ〜。派手じゃてか、ことねもこの間したいって急に言い出したやん?」
「ふぇ?」
「ほら、正月のとき。明日までにしなきゃいけないから教えてくれって言ってきたじゃん」
「そういや言ったっスね……あ! その話ここでしちゃだめッス!」急に琴音は慌てだす。
「なんでさ? 別にパイセンに聞かれてまずい話じゃ……あ」リコは話している途中で何かに気づいた素振りをする。
「パイセンって正月にことねとデートしました?」リコはたずねる。
「デートっていうか……一緒に初詣行ったけれど」
「先輩!? もっと秘密にしてくださいよ!?」琴音はさらに慌てている。
「いや秘密にすることでも……あ」僕もなんとなく琴音が慌てている理由がわかった。
「好きな人と会うときはきれいにおめかししてでかけたいものねぇ。わかるよ」うんうん、とスイは頷いている。
「ああもぅ……全部バレたじゃん……」琴音は頭を抑えて恥ずかしそうにする。そういう反応も可愛いんだけれども。
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