27話 仲良し三人組
今までの様子からもわかるように、スイとリコ、ことねは仲良しだった。校内では大体一緒にいるとか。
スイとリコはお互い中学からの友達で、琴音は高校から二人と仲良くなったとのことだった。
「う〜私のばか……なんで学校でいちゃついたッスか……」頭を抱えながら琴音はうめく。
「まーでも私も恋人いたらいちゃつきたくなるからしょうがないって」リコは琴音の肩をぽんぽんと叩き慰める。
「あれ? 今までリコに恋人いたっけ」スイは尋ねる。
「えーっと、いち、にぃ、さん、よん……」目線を上に向け、指を折り数え始めた。
「えっそんなに?」と僕は驚く。確かにモテそうな感じするけれど。
「ご、よん、さん、にー、いち……ぜろ。よくよく考えたらいなかったわ」指を戻しあっはっは、とリコは笑う。
「いないんかい」ついツッコんでしまう。
「ナイスツッコミパイセン」リコはぐっ、と親指を立てる。
「まあ私が恋人みたいなもん?」スイはにやりと笑いながらいう。
「お互いできねーからしょうがなくな」ふっ、とリコは鼻で笑い返す。
「ひどー。わたしら中学からのなかじゃーん」スイは頬を軽くふくらませる。
「じょーだんじょーだん。あ、そういや昔結婚しよとかいいあってたなぁ」リコは懐かしむ。
「そんなことあったね。じゃあ来週あたり式あげに行く?」スイは軽い調子で凄いことを言い出す。
「お、いいね。どっちがお婿役やる?」リコも軽い調子で乗る。
「どっちもお嫁でいいんじゃん? んでついでにことねとパイセンの式もあげちゃおうよ」
「へ?」急に名前をよばれた琴音は顔をあげる。
「結婚だよけっこん。ほら誓いのキスするやつ」スイは解説する。
「け、けっこん!? せんぱいと!?」
「そ、せんぱいと」リコは当たり前のように言う。
「結婚なんて、まっ、まだ心の準備が……でもキスできる……にぇへへ」琴音はだらしない笑顔を見せる。
……流石に冗談だろうけど、琴音は本気にしているみたいだ。来週式あげるって下りを聞いてなかったみたいだし。
「ふーん、ことねっちパイセンとキスしたいんだ、学校でいちゃつくだけのことあるわ〜」リコはにやにやとしはじめる。「さっすがことね」スイもにやる。
「そっ、その話はやめるッス……」琴音はまた恥ずかしそうに頭を抱えた。
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