幕間 らんとりん

「ねえ、りん。ひとつ聞いてもいい?」


「なーに?」


「……あの人がお兄さんだったらどう?」


「え? おにーさんはおにーさんじゃないの? おねーさんじゃないよね?」


「ええと、そうじゃなくて……お母さんとか私みたいに家にいたらどうかしら?」


「かぞくのおにいちゃんってこと?」


「そうそう。そう言えばよかったわね……」


「んー。たのしいとおもう!」


「あら、そうなの」


「おにーさん、いいひとだったし! りんとなかよくしてくれたし!」


「うん、優しかったわね……応えてあげたかったなぁ……」


「いて。おねえちゃん、まだおててさむいの?」


「え? ああごめんね、強く握っちゃったみたい。大丈夫、りんのおかげで暖かいわ」


「だいじょうぶ! ……でも、おねえちゃんがきえて、おにーさんになるのはいやだなぁ」


「そうね。私もりんがおにーさんになってたらいやかなぁ」


「わたし、おねえちゃんだいすきだもん!」


「ふふ、ありがとう。私もりんの事、大好きよ」

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