第8話 輪に入れて下さい(編集)
俺の通っている学校の生徒会長がその.....かなり衝撃だ。
俺達、ユウキと俺がやっているオンラインネットゲームの中でのリーダーだった。
オオヤという名前の見た感じは20歳ぐらいの青年だが。
灰色の髪の毛にアバターは男前(当たり前だが)、その少年が少年じゃ無くまた中身が女性だった。
それも高校3年生の少女なのだ。
俺は驚愕しながら伝えた秋田と共に約束の場所に向かう。
約束の場所は中庭だった。
当然ながら秋田も驚愕していたが。
というか秋田には手紙を用意して無いのかよ、とツッコミを心で入れながら向かう。
そこに生徒会長の大泉美郷が仁王立ちで立っていた。
黒の長髪がなびく。
そして煌びやかに光る。
クールな面立ちに.....その。
目が鷹の様だが柔和な感じを見せる少女。
モデルと言っても差し支えないぐらいに可愛い女子高生だ。
今まで告白で挫折した男子はゆうに50人を超えるとされるが。
この様な少女がオオヤってマジなのか?
思いながら俺はビックリしながら大泉先輩を見つめる。
大泉先輩はフムフムと俺達を一瞥しながら顎に手を添えてニコッとした。
「ふむ。君達が秋田さんに山彦君だね。ユウキとカズキで良いかな」
「.....そ、その。ユウキという名前はちょっと.....この学校では呼ばれたく無いです」
「ふむ。どうしてかな。別に良いじゃないかね」
「えっと、その。身分を今は隠したいんですよ。大泉先輩」
「.....そうなのか。それはすまない。ではちょっと配慮して菜穂」
は。はい、と行儀良くビシッと直立で立つ秋田。
それから大泉先輩、もとい、オオヤリーダーが秋田をマジマジと見る。
そして少しだけ赤くなりながらこう話した。
ふむ。やはり性格ともに私好みの少女だ、と。
え。
「私は百合ラノベが本当に大好物でね。その為に百合が好きなのだ。リアルでも男では無く少女が好きでね。特に小さい少女.....」
「お、大泉先輩。ヤバいですって。それ以上、言うのは」
「ふむ。確かにこの性欲情報は控えた方が良さそうだ。では君はどの様なラノベが好きかな」
「へ?俺.....いや、俺は.....」
いきなり言われると答えが出ない、と思っていると。
そんなに遠慮しなくていい。
君の事だ、きっとエッチなラノベを沢山読んでいるだろう、と答える大泉せ.....いや!!!!!
いきなり何を言ってんだこの人!
俺がエッチなラノベ.....ばかり読むと思っているのか!
まあ確かにエッチなラノベも多少は有るが!
「.....」
「.....秋田。ドン引きしないでくれ。男だ。俺はだから仕方が無いんだ」
「.....まあそうよね。大丈夫よ。私はドン引き.....してないから」
「してるよね?.....お前さんの場合、嘘を言ったら何時もそんな感じになるもんな」
「.....ちょっと最低と思ったかもしれないけど大丈夫よ」
ちょっと最低か.....キツイな。
でもお前だってラノベ読むじゃねーかよ。
エッチなラノベじゃ無いと思うけど.....だ。
でも秋田にそう言われるとちょっと傷付くな.....。
控えるか、エッチなラノベ.....。
「ふむ。結論を纏めるとこの場に居るみんなはエッチという事だな」
「「決めつけるな(ないで下さい!)」」
「おや。そうなのか」
「はい.....」
「.....はい」
まさかこんな人だとは思わなかった。
この人と話していると疲れるんだが.....。
どうしたら良いのだ。
思いながら俺は盛大に溜息を吐いた。
すると大泉先輩が、つかぬ事を聞くがあそこに居る少女は君を好いているのかね?、と聞いてくる。
指を差した方向。
そこに何故か山口が立っていた。
「え?.....や、山口!?」
「先輩。.....その、えっと.....」
と悲しそうに俯く山口。
俺は少しだけ.....顎に手を添える。
そしてハッとした。
「.....」
「.....うむ」
そこまで言って、ふむ、と頬を朱に染めた大泉先輩。
あ、と思いながら俺は青ざめる。
何故青ざめるかと言えば.....この人さっき(小さい子)と言っていた。
山口を見てから.....恥じらっている気がする。
「や、山口。ヤバイ。逃げろ」
「え?何でですか?」
「あまり理由を話したくない。お前の身が危ない」
「へ?」
と思った瞬間。
大泉先輩が山口の手を握った。
遅かったか!
俺は額に手を添えながら唖然とする。
秋田も少しだけ唖然としている。
「ふむ。つかぬ事の言葉の連続で済まないが君はオンラインネットゲームはやっているかね」
「え?.....いや、やって無いです.....」
「では共に色々と手取り足取りやろうでは無い.....」
申し訳ないが。
そして先輩でもあるのだが。
そこまで言っている大泉先輩の頭をぶっ叩いた。
このロリコン!、と思いながら、だ。
山口は目をパチクリしながら。
大泉先輩は、何をする、と言いながら。
俺を目を丸くして見る。
止めた理由を告げた。
「大泉先輩。山口がビックリしています」
「おや。それはすまない。では改めてネットゲームに.....」
「いやだから、ネットゲームに引きずり込むなよ!?俺達は良いけど!」
俺は大泉先輩を叱る。
その様子を見ていた山口がクスクスと笑い始めた。
何だか楽しそうですね、と、だ。
全く楽しくないんだが。
ロリコン相手はキツイんだが。
「すいません。ネットゲームはやって無いですが是非その、皆さんの楽しそうな輪に入れて下さい」
「.....いや.....山口。こんな先輩の居る場所に.....」
そこまで言うと。
山口は俺を見ながら胸に手を添えた。
それから悲しげな顔をする。
少しだけ.....複雑な顔をしながら、だ。
「私.....あまり友達が.....クラスで出来ないので」
「.....山口.....?」
「山口さん?」
「.....大歓迎だ。この輪に入ってくれるなら。ではその前に入隊の試験をする。少しポーズをとって写真を撮らせて.....」
オイオイオイオイ!
何だか空気をぶち壊しだな!
俺はまた大泉先輩を叱る。
すると山口は、アハハ、と嬉しそうに笑った。
秋田もクスクスと言う。
「よく分からないが何でかね?写真ぐらい良いじゃないか」
「良く無いです!貴方だから!」
「私だから?良いじゃないか。写真の一枚ぐらい」
「良くねぇ!」
俺はまた唖然とする。
こうして奇妙な人間関係が出来上がりつつあった。
俺はもう溜息しか出ず。
だけど山口も秋田も楽しそうだから。
まあ良いかと思ってしまった。
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