予想外の展開

第7話 オオヤ=生徒会長(編集)

言い忘れていたがオンラインネットゲームを一切受け入れない親父なので.....簡単に言えば俺の友人も受け入れる事は無いだろう。

つまりオンラインネットゲームの友人のユウキの事も決して親父は受け入れる事は無いという事だ。

悲しいが。


まあ、此方としても一切親父に会わせる気は無いが。

そんな下らない事を考えつつ全てを用意してから。

俺は早速と山口と美空が一生懸命に作った数々の料理を見る。

かなり美味しそうな料理がそこには並んでいる。

卵焼きとか、だ。


山口はニコニコしながら俺を笑顔で見ていた。

母さんも可愛いわね、と言いながら山口の頭を撫でている。

まるで我が子の様に、だ。


そんな母さんだが俺に、大丈夫自由にやって良いわ、と言ってくれる唯一の人だ。

名前を山彦大空(やまびこおおぞら)43歳、という。


顔立ちは妹に似ている。

更に簡単に言えば妹に性格が似ている。

無邪気というか若々しい性格だ。

黒髪に少しだけ白髪が混じっているボブ。

40代だけど.....母さんは本当に30代といっても通じるだろう。

するとそんな母さんが無茶苦茶な事を山口に聞いた。


「山口さんは.....康太が好きなのかしら?」


「いや、母さん!何を聞いているんだ!」


「だって気になるじゃない。こんな事をしてくれるって。まるでお嫁さんよ?」


これらの言葉に山口は少しだけ赤くなりながら答える。

そ。そうですね、と言葉に詰まりながら上目遣いで俺を見てきながら、だ。


少しだけ俺も赤面する。

というか赤面せざるをえない。

そして山口はゆっくり口をモゴモゴ動かしながら答えてきた。


「私は先輩が好きです。心から」


「.....!」


「きゃー!」


「きゃー!!!!!」


いや母さん。美空、煩い。

(≧∇≦)みたいな顔文字が打てそうだけど!

俺は額に手を添えながら静かに心臓に手を添える。


本当にまさかの告白だった。

さらっとは言ったがこれは告白だよな?

俺は顔が真っ赤に染まる。


「.....や、山口。俺を好きになる要素なんて無いだろ。どうなっている」


「私はずっと優しい先輩が好きですよ?昔から。だから先輩が好きです」


「.....本気か.....」


「はい。ガチの本気ですよ?」


ニコッとする山口。

俺は苦笑いを浮かべながら山口を見る。

山口は頬を朱に染めながら.....柔和に笑みを浮かべた。

俺はその姿を見てから恥ずかしくなったので視線をずらして時計を見る。


「うわ!時間が!」


「わ!お兄ちゃん急がないと!」


「それを言うお前もな!これは大変だ!」


そして俺達は慌てて飯を食い出した。

それから慌てて駆け出す。

美空と別れて別方向に駆け出す。


すると山口がこの様に話してきた。

先輩。私お弁当も作りました、と、だ。

俺は驚愕する。


「お前マジか.....」


「はい。だから一緒に食べましょうね」


「.....」


こんな俺に本当に有難いな、と思う。

構ってくれて、とも。

だけど俺は人は好きになれないだろうな。


本当に.....色々あったしな。

山口の愛は本当に心に響いているが.....どうしたら良いんだろうか。

そうして駆け出して行く。


そうしているとホットラインが来た。

俺は立ち止まってホットラインを観る。

そのメッセージの主はユウキだった。

こう書かれている。


(一緒に登校したかったわ。残念ね)


少しだけ複雑になった。

ユウキ.....。

何時も俺、早めに出ているしな.....。


考えながら居ると、先輩。早く早く、と促された。

俺は、あ。ああ、と言いながら駆け出す。

申し訳無い、ユウキ。



「遅かったわね?珍しい」


「.....そうだな.....ちょっと用事があってな」


「そうなの?」


「ああ。だからごめんな。一緒に登校出来なくて」


ギリギリで教室に入ると秋田が俺に寄って来る。

そんな秋田に謝る。

すると.....秋田は少しだけ顎に手を添えながら.....こう言う。


「じゃあ登校出来なかった分、一緒にまた.....秋葉原に行きましょう。それで許してあげても良いわ」


「.....それはつまり.....」


「か、勘違いしないで。.....で、デートじゃ無いわよ!?」


秋田が慌てながら否定する。

そ、そうか。

思いながら俺は苦笑いを浮かべる。

それからゆっくり教室の机に鞄を置きながら.....秋田を見る。

秋田は俺の袖をチョコンとつまんで見てくる。

可愛い.....。


「.....分かった。付き合おう」


「.....有難うね」


「約束だからな。当たり前だ」


「うん。有難うね」


じゃあまた後でね、と秋田は手を振り何だか嬉しそう?に女子達の群れに戻って行く。

俺はその光景を柔和に目にしながら机に教科書を.....ん?

何か手紙の様なものが入っているんだが.....?

それも白い便箋だ。


「.....え」


俺は名前を見て驚愕した。

裏面を見ると達筆で(オオヤ)より、と書かれていたから。

俺は直ぐに教科書の束を机に置いてから読み始める。

こう書かれている。


(やっはろー。俺だよ。実はな.....ユウキが噂で綺麗な女性だって聞いたんだけどこれマジなんだな。そして君もこの学校だったんだな。実は俺も女性でね。それでこの学校の3年生なんだけど.....今度良かったら会わないか?生徒会長なんだけど。自己紹介は省いて良いかな。どうせ名前は知っているだろうし)


「ふぁ!?」


変な声が出た。

クラスメイトが冷たい目線を俺に向けてくる。

そんな事を気にしている場合では無い。


せ、生徒会長.....!?

え?オオヤが?

そんな馬鹿な!!!!?


生徒会長って確か.....大泉美郷(おおいずみみさと)だよな!?

あの美人のか!?!?!

しかも色々と軽いな!!!!!


「マジかよ.....」


俺は額に手を添えて考える。

神様、アンタって奴は.....。

そしてその驚愕の中で居ると担任が入って来た。


教科書がそのままになっている為に慌てて片してからホームルームを受ける。

しかし心の中のモヤモヤが取れなかった。

信じられないというモヤモヤが、だ。

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