このクラシカルなエッセイにフリガナを！

taka saito

■ ノート（のーと）

この（コノ）漢字（カンジ）学習（ガクシュウ）のための（ノタメノ）エッセイ（えっせい）集（シュウ）は（ハ）全年齢（ゼンネンレイ）・全世界（ゼンセカイ）の（ノ）人達（ヒトタチ）に（ニ）向（ム）けて（ケテ）投稿（トウコウ）しています（シテイマス）。それに（ソレニ）相応（フサワ）しい（シイ）原書（ゲンショ）を（ヲ）選（エラ）んでいますので（ンデイマスノデ）子供（コドモ）の（ノ）勉強（ベンキョウ）用（ヨウ）として（トシテ）、また（マタ）社会（シャカイ）人（ジン）の（ノ）方（カタ）の（ノ）話題（ワダイ）の（ノ）ネタ（ねた）として（トシテ）是非（ゼヒ）ご（ゴ）利用（リヨウ）ください（クダサイ）。

よみ（ヨミ）がな（ガナ）/ヨミ（よみ）ガナ（がな）を（ヲ）付（ツ）ける（ケル）題材（ダイザイ）として（トシテ）、青空（アオゾラ）文庫（ブンコ）より（ヨリ）著作権（チョサクケン）保護（ホゴ）期間（キカン）が（ガ）満了（マンリョウ）して（シテ）いる（イル）もの（モノ）を（ヲ）利用（リヨウ）して（シテ）います（イマス）。

読（ヨ）み（ミ）仮名（ガナ）は（ワ）ネット（ねっと）検索（ケンサク）サービス（さーびす）等（ナド）を（ヲ）併用（ヘイヨウ）し（シ）チェック（ちぇっく）し（シ）ながら（ナガラ）手作業（テサギョウ）で（デ）振（フ）って（ッテ）います（イマス）。

この（コノ）通常（ツウジョウ）版（バン）（ひら（ヒラ）がな（ガナ）ルビ（るび）版（バン））で（デ）は（ワ）、学習（ガクシュウ）用（ヨウ）コンテンツ（こんてんつ）として（トシテ）毎回（マイカイ）１０ヶ（ジュッコ）の（ノ）常用（ジョウヨウ）漢字（カンジ）を（ヲ）伏字（フセジ）に（ニ）した（シタ）文章（ブンショウ）と（ト）、その（ソノ）後（アト）に（ニ）正解（セイカイ）・確認（カクニン）用（ヨウ）として（トシテ）本来（ホンライ）の（ノ）テキスト（てきすと）を（ヲ）続（ツヅ）けて（ケテ）います（イマス）。伏字（フセジ）に（ニ）する（スル）常用（ジョウヨウ）漢字（カンジ）は（ワ）原則（ゲンソク）として（トシテ）その（ソノ）後（アト）の（ノ）投稿（トウコウ）１００回（ヒャッカイ）分（ブン）以上（イジョウ）の（ノ）間（アイダ）は（ワ）伏字（フセジ）から（カラ）外（ハズ）され（サレ）ます（マス）。常用（ジョウヨウ）漢字（カンジ）は（ワ）２１３６（ニセンヒャクサンジュウロク）字（ジ）あり（アリ）ます（マス）ので（ノデ）、本来（ホンライ）は（ワ）２１３（ニヒャクジュウサン）回（カイ）ごと（ゴト）に（ニ）繰（ク）り（リ）返（カエ）す（ス）パターン（ぱたーん）が（ガ）理想的（リソウテキ）なの（ナノ）です（デス）が（ガ）、それ（ソレ）が（ガ）出来（デキ）るか（ルカ）どうか（ドウカ）調（シラ）べる（ベル）ため（タメ）に（ニ）先（マ）ず（ズ）は（ワ）投稿（トウコウ）を（ヲ）繰（ク）り（リ）返（カエ）し（シ）ながら（ナガラ）データ（でーた）の（ノ）収集（シュウシュウ）を（ヲ）行（イ）って（ッテ）いき（イキ）ます（マス）。

Wikipedia（ウィキペディア）で（デ）は（ワ）常用（ジョウヨウ）漢字表（カンジヒョウ）について（ニツイテ）以下（イカ）の（ノ）様（ヨウ）に（ニ）記載（キサイ）されて（サレテ）います（イマス）。

● 1981（センキュウヒャクハチジュウイチ）年（ネン）（昭和（ショウワ）56（ゴジュウロク）年（ネン））3月（サンガツ）23日（ニジュウサンニチ）に（ニ）国語（コクゴ）審議会（シンギカイ）が（ガ）答申（トウシン）し（シ）、同（ドウ）年（ネン）10月（ジュウガツ）1日（ツイタチ）に（ニ）昭和（ショウワ）56（ゴジュウロク）年（ネン）内閣（ナイカク）告示（コクジ）第（ダイ）1号（イチゴウ）として（トシテ）告示（コクジ）された（サレタ）常用（ジョウヨウ）漢字（カンジ）表（ヒョウ）。当用（トウヨウ）漢字（カンジ）の（ノ）後継（コウケイ）で（デ）あり（アリ）、1945（センキュウヒャクヨンジュウゴ）字（ジ）／4087（ヨンセンハチジュウナナ）音訓（オンクン）［2187（ニセンヒャクハチジュウナナ）音（オン）・1900（センキュウヒャク）訓（クン）］から（カラ）成（ナ）る（ル）。

● 2010（ニセンジュウ）年（ネン）（平成（ヘイセイ）22（ニジュウニ）年（ネン））6月（ロクガツ）7日（ナノカ）に（ニ）文化（ブンカ）審議（シンギ）会（カイ）が（ガ）改定（カイテイ）常用（ジョウヨウ）漢字（カンジ）表（ヒョウ）として（トシテ）答申（トウシン）し（シ）、同（ドウ）年（ネン）11月（ジュウイチガツ）30日（サンジュウニチ）に（ニ）平成（ヘイセイ）22年（ニジュウニネン）内閣（ナイカク）告示（コクジ）第（ダイ）2号（ニゴウ）として（トシテ）告示（コクジ）された（サレタ）常用（ジョウヨウ）漢字（カンジ）表（ヒョウ）。告示（コクジ）の（ノ）際（サイ）、昭和（ショウワ）56年（ゴジュウロクネン）内閣（ナイカク）告示（コクジ）第（ダイ）1号（イチゴウ）「常用（ジョウヨウ）漢字（カンジ）表（ヒョウ）」は（ワ）廃止（ハイシ）された（サレタ）。2136（ニセンヒャクサンジュウロク）字（ジ）／4388（ヨンセンサンビャクハチジュウハチ）音訓（オンクン）［2352（ニセンサンビャクゴジュウニ）音（オン）・2036（ニセンサンジュウロク）訓（クン）］から（カラ）成（ナ）る（ル）。

https://ja.wikipedia.org/wiki/常用漢字

そして（ソシテ）常用（ジョウヨウ）漢字（カンジ）２１３６（ニセンヒャクサンジュウロク）字（ジ）の（ノ）内（ウチ）、１０３６（センサンジュウロク）字（ジ）は（ワ）小学（ショウガク）１年（イチネン）から（カラ）６年（ロクネン）で（デ）覚（オボ）える（エル）べき（ベキ）漢字（カンジ）、残（ノコ）り（リ）の（ノ）１１００（センヒャク）字（ジ）は（ワ）中学（チュウガク）で（デ）覚（オボ）える（エル）漢字（カンジ）と（ト）されて（サレテ）います（イマス）が（ガ）、多（オオ）く（ク）の（ノ）人（ヒト）は（ワ）取（ト）り（リ）こぼして（コボシテ）いる（イル）漢字（カンジ）も（モ）多々（タタ）ある（アル）こと（コト）でしょう（デショウ）。

若（ワカ）い（イ）方（カタ）に（ニ）は（ワ）、毎日（マイニチ）１０ヶ（ジュッコ）の（ノ）漢（カラ）字（ジ）を（ヲ）覚（オボ）える（エル）ため（タメ）の（ノ）学習（ガクシュウ）素材（ソザイ）として（トシテ）ご（ゴ）利用（リヨウ）ください（クダサイ）。もとに（モトニ）なる（ナル）テキスト（てきすと）は（ワ）明治（メイジ）から（カラ）昭和（ショウワ）初期（ショキ）に（ニ）書（カ）かれ（カレ）、多（オオ）くの（クノ）校正者（コウセイ者）達（タチ）の（ノ）目（メ）により（ニヨリ）確認（カクニン）・検証（ケンショウ）を（ヲ）経（ヘ）た（タ）現代（ゲンダイ）日本語（ニホンゴ）の（ノ）礎（イシズエ）と（ト）されて（サレテ）いる（イル）本物（ホンモノ）の（ノ）日本語（ニホンゴ）です（デス）。

社会人（シャカイジン）の（ノ）方（カタ）に（ニ）は（ワ）、日々（ヒビ）忘（ワス）れて（レテ）しまう（シマウ）漢字（カンジ）を（ヲ）覚（オボ）え（エ）なおす（ナオス）ため（タメ）等（ナド）に（ニ）ご（ゴ）利用（リヨウ）いただけれ（イタダケレ）ば（バ）と（ト）思（オモ）い（イ）ます（マス）。

歳（ドシ）を（ヲ）召（メ）された（サレタ）方（カタ）に（ニ）は（ワ）、脳（ノウ）の（ノ）老化（ロウカ）の（ノ）防止（ボウシ）と（ト）再（サイ）活性化（カッセイカ）の（ノ）為（タメ）に（ニ）ご（ゴ）利用（リヨウ）ください（クダサイ）。脳（ノウ）は（ワ）鍛（キタ）えれ（エレ）ば（バ）一生（イッショウ）成長（セイチョウ）を（ヲ）続（ツヅ）ける（ケル）との（トノ）こと（コト）です（デス）。

２（フタ）つ（ツ）目（メ）の（ノ）姉妹（シマイ）エッセイ（えっせい）の（ノ）カタカナ（かたかな）るび（ルビ）版（バン）で（デ）は（ワ）、常用（ジョウヨウ）漢字（カンジ）の（ノ）全（スベ）て（テ）を（ヲ）伏字（フセジ）に（ニ）した（シタ）テキスト（てきすと）と（ト）その（ソノ）後（アト）に（ニ）本来（ホンライ）の（ノ）テキスト（てきすと）を（ヲ）並（ナラ）べて（ベテ）います（イマス）。覚（オボ）えて（エテ）いる（イル）べき（ベキ）漢字（カンジ）を（ヲ）忘（ワス）れて（レテ）ないか（ナイカ）どうか（ドウカ）の（ノ）チェック（ちぇっく）に（ニ）は（ワ）こちら（コチラ）も（モ）併用（ヘイヨウ）して（シテ）ください（クダサイ）。

３（ミッ）つ（ツ）目（メ）の（ノ）姉妹（シマイ）エッセイ（えっせい）の（ノ）ローマ（ろーま）字（ジ）ルビ（るび）版（バン）で（デ）は（ワ）、通常（ツウジョウ）版（バン）と（ト）同（オナ）じ（ジ）く（ク）１０ヶ（ジュッコ）の（ノ）常用（ジョウヨウ）漢字（カンジ）を（ヲ）伏字（フセジ）に（ニ）して（シテ）います（イマス）。こちら（コチラ）は（ワ）日本語（ニホンゴ）を（ヲ）学習（ガクシュウ）したい（シタイ）外人（ガイジン）さん（サン）向（ム）け（ケ）の（ノ）コンテンツ（こんてんつ）として（トシテ）一緒（イッショ）に（ニ）公開（コウカイ）して（シテ）います（イマス）。

■ 学習（ガクシュウ）コンテンツ

　※ 伏字（フセジ）の漢字（カンジ）は、❶（イチ）～（カラ）❻（ロク）は（ワ）小１（ショウイチ）～（カラ）小６（ショウロク）で、❼（ナナ）は（ワ）中学（チュウガク）で覚（オボ）える漢字（カンジ）です

　※ 伏字（フセジ）になっていない漢字（カンジ）は常用（ジョウヨウ）漢字（カンジ）外（ガイ）、若（モ）しくは原書（ゲンショ）（底本（テイホン））で読（ヨ）み仮名（ガナ）の振（フ）られていた漢字（カンジ）です

❷❸（サクヒン）❶（メイ）：❹❷❷（アイドクショ）の❹❺（インショウ）

❻❸（チョシャ）❶（メイ）：芥❶（アクタガワ）龍之❼（リュウノスケ）

　❶❻（コドモ）の❷（トキ）の❹❷❷（アイドクショ）は（ワ）「❷❸記（サイユウキ）」が❸❶（ダイイチ）である。これ❸（ラ）は（ワ）❷❶（コンニチ）でも❼（ボク）の❹❷❷（アイドクショ）である。❺❼（ヒユ）❸（ダン）としてこれほどの❼❷（ケッサク）は（ワ）、❷❸（セイヨウ）には（ワ）❶（ヒト）つもないであらうと❷（オモ）ふ。❶❷（ナダカ）いバンヤンの「❶❸（テンロ）❺❺（レキテイ）」なども❼❹（トウテイ）この「❷❸記（サイユウキ）」の❻（テキ）では（ワ）ない。それから「❶滸❹（スイコデン）」も❹❷❷（アイドクショ）の❶（ヒト）つである。これも❷❹（イマモッ）て❹❷（アイドク）してゐ（イ）る。❶❷（イチジ）は（ワ）「❶滸❹（スイコデン）」の❶（ナカ）の❶❶❶（ヒャクハチ）❶（ニン）の❼❼（ゴウケツ）の❶❷（ナマエ）を悉（コトゴト）く諳記（アンキ）してゐ（イ）たことがある。その❷❷（ジブン）でも❼❶（オシカワ）❷❼（シュンロウ）❹（シ）の❼❺（ボウケン）❶❹（ショウセツ）や❷（ナニ）かよりもこの「❶滸❹（スイコデン）」だの「❷❸記（サイユウキ）」だのといふ（ユウ）❷（ホウ）が遥（ハル）かに❼（ボク）に❸❶（オモシロ）かつた。

　❶❶（チュウガク）へ（エ）❶❶（ニュウガク）❷（マエ）から❹❹（トクトミ）蘆❶（ロカ）❹（シ）の「❷❹（シゼン）と❶❶（ジンセイ）」や樗❷（チョギュウ）の「❸❷（ヘイケ）❺❸（ザッカン）」や❶❸（コジマ）烏❶（ウスイ）❹（シ）の「❶❶（ニホン）❶❶（サンスイ）❻（ロン）」を❹❷（アイドク）した。❷❷（ドウジ）に、❷❶（ナツメ）さんの「❼（ネコ）」や❹❶（キョウカ）❹（シ）の「❷❸❷（フウリュウセン）」や❸❶（リョクウ）の「あられ❸（ザケ）」を❹❷（アイドク）した。だから❶（ヒト）の❸（コト）は（ワ）❹（ワラ）へ（エ）ない。❼（ボク）にも「❶❸（ブンショウ）倶❷❸（クラブ）」の「❶❶（セイネン）❶❺（ブンシ）❹（ロク）」の❶（ナカ）にあるやうな「トルストイ、❼❷（ツボウチ）❺❷（シコウ）、❶❶（オオマチ）桂❶（ケイゲツ）」❷❸（ジダイ）があつた。

　❶❶（チュウガク）を❹❸（ソツギョウ）してから❷（イロ）んな❶（ホン）を❷（ヨ）んだけれども、❹（トク）に❹❷（アイドク）した❶（ホン）といふものは（ワ）ないが、❼（ガイ）して云（イ）ふと、ワイルドとかゴーチエとかいふやうな絢爛（ケンラン）とした❶❹（ショウセツ）が❹（ス）きであつた。それは（ワ）❼（ボク）の❶❺（キシツ）からも❷（キ）てゐ（イ）るであらうけれども、❶（ヒト）つは（ワ）慥（タシ）かに❶❶（ニホン）の❷❹（シゼン）❸❺（シュギ）❹（テキ）な❶❹（ショウセツ）に厭（ア）きた❸❸（ハンドウ）であらうと❷（オモ）ふ。ところが、❷❸（コウトウ）❶❶（ガッコウ）を❹❸（ソツギョウ）する❷❷（ゼンゴ）から、どういふものか❼❸（シュミ）や❸（モノ）の❶❷（ミカタ）に❶（オオ）きな❸❹（キョクセツ）が❸（オコ）つて、❷（マエ）に❷（イ）つたワイルドとかゴーチエとかといふ❷❷（サッカ）のものがひどくいやになつた。ストリンドベルクなどに❼❼（ケイトウ）したのは（ワ）この❼（コロ）である。その❷❷（ジブン）の❼（ボク）の❷❸（ココロモチ）からいふと、ミケエロ・アンヂエロ❷（フウ）な❶（チカラ）を❸（モ）つてゐ（イ）ない❹❺（ゲイジュツ）は（ワ）すべて❼礫（ガレキ）のやうに❸（カン）じられた。これは（ワ）❷❷（トウジ）❷（ヨ）んだ「ジヤンクリストフ」などの❼❼（エイキョウ）であつたらうと❷（オモ）ふ。

　さういふ❷❸（ココロモチ）が❶❶（ダイガク）を❹❸（ソツギョウ）する❷（アト）までも❹（ツヅ）いたが、❻々（ダンダン）❺（モ）えるやうな❶（チカラ）の❼❻（スウハイ）もうすらいで、❶❶（イチネン）❷（マエ）から❹（シズ）かな❶（チカラ）のある❷❸（ショモツ）に❹（モット）も❷（ココロ）を惹（ヒ）かれるやうになつてゐ（イ）る。❼（タダシ）、❹（シズ）かなと❷（イ）つてもたゞ（タダ）❹（シズ）かだけでも❶（チカラ）のないものには（ワ）❺（アマ）り❺❸（キョウミ）がない。スタンダールやメリメエや❶❶（ニホン）❸（モノ）で❷❼（サイカク）などの❶❹（ショウセツ）は（ワ）この❷（テン）で❷（イマ）の❼（ボク）には（ワ）❸❶（オモシロ）くもあり、❼（マタ）ためにもなる❶（ホン）である。

　❺（ツイデ）ながら❼（ツ）け❹（クワ）へ（エ）ておくが、此❷（コナイダ）「ジヤンクリストフ」を❶（ダ）して❷（ヨ）んで❶（ミ）たが、❸（ムカシ）ほど❸❺（カンキョウ）が❸（ノ）らなかつた。あの❷❷（ジブン）の❶（ホン）は（ワ）だめなのかと❷（オモ）つたが、「アンナカレニナ」を❶（ダ）して❶❶（ニサン）❸（ショウ）❷（ヨ）んで❶（ミ）たら、これは（ワ）❸（ムカシ）のやうに❸❻（アリガタ）い❶（キ）がした。

■ コンテンツ（こんてんつ）

作品（サクヒン）名（メイ）：愛読書（アイドクショ）の（ノ）印象（インショウ）

著者（チョシャ）名（メイ）：芥川（アクタガワ）龍之介（リュウノスケ）

　子供（コドモ）の（ノ）時（トキ）の（ノ）愛読書（アイドクショ）は（ワ）「西遊記（サイユウキ）」が（ガ）第一（ダイイチ）で（デ）ある（アル）。これ（コレ）等（ラ）は（ワ）今日（コンニチ）で（デ）も（モ）僕（ボク）の（ノ）愛読書（アイドクショ）で（デ）ある（アル）。比喩（ヒユ）談（ダン）として（トシテ）これ（コレ）ほど（ホド）の（ノ）傑作（ケッサク）は（ワ）、西洋（セイヨウ）に（ニ）は（ワ）一（ヒト）つも（ツモ）ない（ナイ）で（デ）あらう（アラウ）と（ト）思（オモ）ふ（フ）。名高（ナダカ）い（イ）バンヤン（ばんやん）の（ノ）「天路（テンロ）歴程（レキテイ）」など（ナド）も（モ）到底（トウテイ）この（コノ）「西遊記（サイユウキ）」の（ノ）敵（テキ）で（デ）は（ワ）ない（ナイ）。それから（ソレカラ）「水滸伝（スイコデン）」も（モ）愛読書（アイドクショ）の（ノ）一（ヒト）つ（ツ）で（デ）ある（アル）。これ（コレ）も（モ）今以（イマモッ）て（テ）愛読（アイドク）し（シ）て（テ）ゐ（イ）る（ル）。一時（イチジ）は（ワ）「水滸伝（スイコデン）」の（ノ）中（ナカ）の（ノ）一百八（ヒャクハチ）人（ニン）の（ノ）豪傑（ゴウケツ）の（ノ）名前（ナマエ）を（ヲ）悉（コトゴト）く（ク）諳記（アンキ）し（シ）て（テ）ゐ（イ）た（タ）こと（コト）が（ガ）ある（アル）。その（ソノ）時分（ジブン）で（デ）も（モ）押川（オシカワ）春浪（シュンロウ）氏（シ）の（ノ）冒険（ボウケン）小説（ショウセツ）や（ヤ）何（ナニ）か（カ）より（ヨリ）も（モ）この（コノ）「水滸伝（スイコデン）」だの（ダノ）「西遊記（サイユウキ）」だ（ダ）の（ノ）と（ト）いふ（ユウ）方（ホウ）が（ガ）遥（ハル）か（カ）に（ニ）僕（ボク）に（ニ）面白（オモシロ）かつた（カツタ）。

　中学（チュウガク）へ（エ）入学（ニュウガク）前（マエ）から（カラ）徳富（トクトミ）蘆花（ロカ）氏（シ）の（ノ）「自然（シゼン）と（ト）人生（ジンセイ）」や（ヤ）樗牛（チョギュウ）の（ノ）「平家（ヘイケ）雑感（ザッカン）」や（ヤ）小島（コジマ）烏水（ウスイ）氏（シ）の（ノ）「日本（ニホン）山水（サンスイ）論（ロン）」を（ヲ）愛読（アイドク）した（シタ）。同時（ドウジ）に（ニ）、夏目（ナツメ）さん（サン）の（ノ）「猫（ネコ）」や（ヤ）鏡花（キョウカ）氏（シ）の（ノ）「風流線（フウリュウセン）」や（ヤ）緑雨（リョクウ）の（ノ）「あられ（アラレ）酒（ザケ）」を（ヲ）愛読（アイドク）した（シタ）。だから（ダカラ）人（ヒト）の（ノ）事（コト）は（ワ）笑（ワラ）へ（エ）ない（ナイ）。僕（ボク）にも（ニモ）「文章（ブンショウ）倶楽部（クラブ）」の（ノ）「青年（セイネン）文士（ブンシ）録（ロク）」の（ノ）中（ナカ）に（ニ）ある（アル）やう（ヤウ）な（ナ）「トルストイ（とるすとい）、坪内（ツボウチ）士行（シコウ）、大町（オオマチ）桂月（ケイゲツ）」時代（ジダイ）が（ガ）あつた（アツタ）。

　中学（チュウガク）を（ヲ）卒業（ソツギョウ）して（シテ）から（カラ）色（イロ）ん（ン）な（ナ）本（ホン）を（ヲ）読（ヨ）んだ（ンダ）けれど（ケレド）も（モ）、特（トク）に（ニ）愛読（アイドク）した（シタ）本（ホン）といふもの（トイフモノ）は（ワ）ない（ナイ）が（ガ）、概（ガイ）し（シ）て（テ）云（イ）ふと（フト）、ワイルド（わいるど）とか（トカ）ゴーチエ（ごーちえ）とか（トカ）いふ（イフ）やうな（ヤウナ）絢爛（ケンラン）と（ト）した（シタ）小説（ショウセツ）が（ガ）好（ス）き（キ）で（デ）あつた（アツタ）。それ（ソレ）は（ワ）僕（ボク）の（ノ）気質（キシツ）から（カラ）も（モ）来（キ）て（テ）ゐ（イ）る（ル）で（デ）あらう（アラウ）けれども（ケレドモ）、一（ヒト）つ（ツ）は（ワ）慥（タシ）か（カ）に（ニ）日本（ニホン）の（ノ）自然（シゼン）主義（シュギ）的（テキ）な（ナ）小説（ショウセツ）に（ニ）厭（ア）きた（キタ）反動（ハンドウ）で（デ）あらう（アラウ）と（ト）思（オモ）ふ（フ）。ところが（トコロガ）、高等（コウトウ）学校（ガッコウ）を（ヲ）卒業（ソツギョウ）する（スル）前後（ゼンゴ）から（カラ）、どう（ドウ）いふもの（イフモノ）か（カ）趣味（シュミ）や（ヤ）物（モノ）の（ノ）見方（ミカタ）に（ニ）大（オオ）きな（キナ）曲折（キョクセツ）が（ガ）起（オコ）つて（ツテ）、前（マエ）に（ニ）言（イ）つた（ツタ）ワイルド（わいるど）とか（トカ）ゴーチエ（ごーちえ）とか（トカ）と（ト）いふ（イフ）作家（サッカ）の（ノ）もの（モノ）が（ガ）ひどく（ヒドク）いや（イヤ）に（ニ）なつた（ナツタ）。ストリンドベルク（すとりんどべるく）など（ナド）に（ニ）傾倒（ケイトウ）した（シタ）の（ノ）は（ワ）この（コノ）頃（コロ）で（デ）ある（アル）。その（ソノ）時分（ジブン）の（ノ）僕（ボク）の（ノ）心持（ココロモチ）から（カラ）いふ（イフ）と（ト）、ミケエロ（みけえろ）・アンヂエロ（あんぢえろ）風（フウ）な（ナ）力（チカラ）を（ヲ）持（モ）つて（ツテ）ゐ（イ）ない（ナイ）芸術（ゲイジュツ）は（ワ）すべて（スベテ）瓦礫（ガレキ）の（ノ）やう（ヤウ）に（ニ）感（カン）じ（ジ）られた（ラレタ）。これ（コレ）は（ワ）当時（トウジ）読（ヨ）ん（ン）だ（ダ）「ジヤンクリストフ（じやんくりすとふ）」など（ナド）の（ノ）影響（エイキョウ）で（デ）あつた（アツタ）らう（ラウ）と（ト）思（オモ）ふ（フ）。

　さう（サウ）いふ（イフ）心持（ココロモチ）が（ガ）大学（ダイガク）を（ヲ）卒業（ソツギョウ）する（スル）後（アト）まで（マデ）も（モ）続（ツヅ）いた（イタ）が（ガ）、段々（ダンダン）燃（モ）える（エル）やう（ヤウ）な（ナ）力（チカラ）の（ノ）崇拝（スウハイ）も（モ）うすらい（ウスライ）で（デ）、一年（イチネン）前（マエ）から（カラ）静（シズ）かな（カナ）力（チカラ）の（ノ）ある（アル）書物（ショモツ）に（ニ）最（モット）も（モ）心（ココロ）を（ヲ）惹（ヒ）かれる（カレル）やう（ヤウ）に（ニ）なつて（ナツテ）ゐ（イ）る（ル）。但（タダシ）、静（シズ）か（カ）な（ナ）と（ト）言（イ）つて（ツテ）も（モ）たゞ（タダ）静（シズ）か（カ）だけ（ダケ）でも（デモ）力（チカラ）の（ノ）ない（ナイ）もの（モノ）に（ニ）は（ワ）余（アマ）り（リ）興味（キョウミ）が（ガ）ない（ナイ）。スタンダール（すたんだーる）や（ヤ）メリメエ（めりめえ）や（ヤ）日本（ニホン）物（モノ）で（デ）西鶴（サイカク）など（ナド）の（ノ）小説（ショウセツ）は（ワ）この（コノ）点（テン）で（デ）今（イマ）の（ノ）僕（ボク）に（ニ）は（ワ）面白（オモシロ）くも（クモ）あり（アリ）、又（マタ）ため（タメ）にも（ニモ）なる（ナル）本（ホン）で（デ）ある（アル）。

　序（ツイデ）ながら（ナガラ）附（ツ）け（ケ）加（クワ）へ（エ）て（テ）おく（オク）が（ガ）、此間（コナイダ）「ジヤンクリストフ（じやんくりすとふ）」を（ヲ）出（ダ）して（シテ）読（ヨ）んで（ンデ）見（ミ）た（タ）が（ガ）、昔（ムカシ）ほど（ホド）感興（カンキョウ）が（ガ）乗（ノ）らな（ラナ）かつた（カツタ）。あの（アノ）時分（ジブン）の（ノ）本（ホン）は（ワ）だめ（ダメ）なの（ナノ）かと（カト）思（オモ）つた（ツタ）が（ガ）、「アンナカレニナ（あんなかれにな）」を（ヲ）出（ダ）して（シテ）二三（ニサン）章（ショウ）読（ヨ）んで（ンデ）見（ミ）たら（タラ）、これ（コレ）は（ワ）昔（ムカシ）の（ノ）やう（ヤウ）に（ニ）有難（アリガタ）い（イ）気（キ）が（ガ）した（シタ）。

■ 原書情報（青空文庫）

図書カード：No.4872 （新字旧仮名）

https://www.aozora.gr.jp/cards/000879/card4872.html

https://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/4872_21839.html

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★（通常（ツウジョウ）版（バン））全部（ゼンブ）の（ノ）漢字（カンジ）に（ニ）ルビ（るび）を（ヲ）振（フ）って（ッテ）みたく（ミタク）は（ハ）ありませんか（アリマセンカ）？

　　https://kakuyomu.jp/works/1177354055305889978/episodes/1177354055306019770

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★（カタカナ（かたかな）版（バン））この（コノ）クラシカル（くらしかる）な（ナ）エッセイ（えっせい）に（ニ）フリガナ（ふりがな）を（ヲ）！

　　https://kakuyomu.jp/works/1177354055324161539/episodes/1177354055324183205

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★（ローマ（ろーま）字（ジ）版（バン））こんな（コンナ）漢字（カンジ）に（ニ）ローマ（ろーま）字（ジ）が（ガ）振（フ）れる（レル）わけ（ワケ）が（ガ）ない（ナイ）！？

　　https://kakuyomu.jp/works/1177354055360859507/episodes/1177354055360889318

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https://www.aozora.gr.jp/

青空（アオゾラ）文庫（ブンコ）と（ト）は（ワ）？

　青空（アオゾラ）文庫（ブンコ）は（ワ）、誰（ダレ）に（ニ）でも（デモ）アクセス（あくせす）できる（デキル）自由（ジユウ）な（ナ）電子（デンシ）本（ホン）を（ヲ）、図書館（トショカン）の（ノ）ように（ヨウニ）インターネット（いんたーねっと）上（ジョウ）に（ニ）集（アツ）め（メ）よう（ヨウ）と（ト）する（スル）活動（カツドウ）です（デス）。

　著作（チョサク）権（ケン）の（ノ）消滅（ショウメツ）した（シタ）作品（サクヒン）と（ト）、「自由（ジユウ）に（ニ）読（ヨ）んで（ンデ）もらって（モラッテ）かまわ（カマワ）ない（ナイ）」と（ト）された（サレタ）もの（モノ）を（ヲ）、テキスト（てきすと）と（ト）Ｘ（エックス）ＨＴＭＬ（エイチティエムエル）（一部（イチブ）は（ワ）ＨＴＭＬ（エイチティエムエル））形式（ケイシキ）に（ニ）電子（デンシ）化（カ）した（シタ）上（ウエ）で（デ）揃（ソロ）えて（エテ）います（イマス）。

https://www.aozora.gr.jp/guide/aozora_bunko_faq.html

Ｑ（キュー）：青空（アオゾラ）文庫（ブンコ）って（ッテ）、何（ナニ）ですか（デスカ）？

Ａ（エー）：1997（センキュウヒャクキュウジュウナナ）年（ネン）に（ニ）始（ハジ）まった（マッタ）ボランティア（ぼらんてぃあ）活動（カツドウ）で（デ）、誰（ダレ）に（ニ）でも（デモ）アクセス（あくせす）できる（デキル）自由（ジユウ）な（ナ）電子（デンシ）本（ボン）を（ヲ）、共有（キョウユウ）可能（カノウ）な（ナ）もの（モノ）として（トシテ）図書館（トショカン）の（ノ）よう（ヨウ）に（ニ）インターネット（いんたーねっと）上（ジョウ）に（ニ）集（アツ）め（メ）よう（ヨウ）として（トシテ）おり（オリ）ます（マス）。現在（ゲンザイ）は（ワ）、日本（ニッポン）国内（コクナイ）で（デ）著作（チョサク）権（ケン）保護（ホゴ）期間（キカン）の（ノ）満了（マンリョウ）した（シタ）作品（サクヒン）を（ヲ）中心（チュウシン）に（ニ）、ボランティア（ぼらんてぃあ）の（ノ）みなさん（ミナサン）の（ノ）力（チカラ）に（ニ）よって（ヨッテ）電子（デンシ）化（カ）作業（サギョウ）を（ヲ）進（スス）めて（メテ）います（イマス）。青空（アオゾラ）文庫（ブンコ）は（ワ）そう（ソウ）いった（イッタ）電子（デンシ）化（カ）活動（カツドウ）の（ノ）ため（タメ）の（ノ）、また（マタ）その（ソノ）成果（セイカ）物（ブツ）を（ヲ）アーカイ（あーかい）ヴ（ヴ）して（シテ）おく（オク）ため（タメ）の（ノ）場（バ）でも（デモ）あり（アリ）、そこ（ソコ）から（カラ）コピー（こぴー）された（サレタ）本（ホン）の（ノ）集成（シュウセイ）や（ヤ）活用（カツヨウ）事例（ジレイ）も（モ）また（マタ）〈青空（アオゾラ）文庫（ブンコ）〉と（ト）呼（ヨ）ば（バ）れる（レル）こと（コト）が（ガ）あり（アリ）ます（マス）。詳（クワ）しく（シク）は（ワ）「青空（アオゾラ）文庫（ブンコ）の（ノ）しくみ（シクミ）」（http://www.aozora.gr.jp/aozora_bunkono_shikumi.html）を（ヲ）ご（ゴ）一読（イチドク）ください（クダサイ）。