技術
登場人物
カマセ「あ~……めんどいな、毎回毎回……」
ソノタ「どうしたんです? 先輩」
カマセ「いや、このパソコン、少しの間操作しないでいると勝手にロックかかるだろ?」
ソノタ「どこに産業スパイがいるか分かりませんからね」
カマセ「……うちみたいな下請け会社、どこの誰がスパイするんだよ。
ソノタ「用心ですよ、用心」
カマセ「いや、まあ、別に用心するのはいいんだけど、ロックかかる度にアクセスコード入力するのが面倒でな」
ソノタ「あれ? 先輩って、音声認識機能使ってないんですか?」
カマセ「音声認識機能?」
ソノタ「声紋とキーワードを登録することで、喋りかけるだけでアクセスできるようになるシステムですよ」
カマセ「なんでそんなハイテク機能がうちの会社に必要なの?」
ソノタ「僕も使ってますよ。キーワードは『センパイ』です」
カマセ「……なんか用もなく呼ばれる時があると思ったら、あれキーワードだったのかよ」
ソノタ「先輩のパソコンにも音声認識機能は入ってますから、設定してあげますよ」
カマセ「おっ、そうか? じゃあ頼むわ」
ソノタ「(カタカタカタ)…………はい、じゃあ、この小型マイクに向かって『愛してる……』って
カマセ「なんでっ!?」
ソノタ「はいOKです。これでもう、いちいちアクセスコード入力しなくても大丈夫ですよ」
カマセ「…………えっ、ちょっと待って。今の『なんでっ!?』が登録されたの? ていうことは、これから毎回、パソコンがロックされる度に『なんでっ!?』って言わなきゃならないの……?」
ソノタ「いいじゃないですか。先輩がそう言ってるの、よく聞きますし」
カマセ「お前のせいだよっ!」
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