実話です。ホテルの一室を怖がるまちかりさんを通して見えてくるホラーです。はっきりと幽霊が出てくるわけでもなく、過去にそこで何かあったのか判明しません。つまり読者はまちかりさんの反応で恐怖を感じとる作風となっています。
「怖い話=何か出てくる。何かが起きる」と考えているホラー好きには物足りないかもしれません。
あまりにも暗い部屋を霊安室みたいとまちかりさんは気味悪がっていますが、似たような体験をしていないと「気のせいじゃないの?」で一蹴されそうで悔しいです。ちなみに作中でも「まちかりさん、怖がりですね」と言われています。
僕は霊感がないので、なんとなく(決定的な根拠のない直感)で部屋をキャンセルするもちかりさんが斬新でした。
「私も幽霊は見たことがありません。私だったら気味が悪くても(何かが起きるまで)ガマンしそうです。霊感がある人はこの作品にどんな感想を持つのでしょう。意見が聞きたいですね。
もちかりさんは宿泊料や従業員さんの反応からその一室を『怪しい』と疑っています。月並みな感想なんですけど、本能的な勘て大事ですよね」