Film 3. 『ジングル・オール・ザ・ウェイ』
1996年のアメリカ映画。あのシュワルツェネッガー主演の、ドタバタ・クリスマス・コメディ。
氏が演じたのは、いつも仕事で忙しく家族を放置気味の父親・ハワード。大事な約束をすっぽかしてしまった息子との仲直りのため、話題沸騰中のヒーロー「ターボマン」のフィギュアをクリスマスに贈る約束をする。
しかし、クリスマス当日になってその約束を思い出したハワード。慌てて買いに出かけるも、超大人気の「ターボマン人形」はどこへ行っても売り切れ在庫切れ。せめて一つくらいあるはずだと、おもちゃ売り場を渡り歩き、ハワードは街中を駆けずり回る羽目になる……。
かのシュワちゃんことシュワルツェネッガー氏が普通の父親役のクリスマス映画というだけでも、ちょっと珍しく感じるこの作品。ガタイがいいのは隠せないけれど、設定上は退役軍人などではなく一般人。その他大勢の親たちに混じって熾烈な「ターボマン人形」争奪戦をくり広げ、クリスマスでにぎわうおもちゃ売り場でもみくちゃにされます。
しれっと有名な『ホーム・アローン』1・2の監督が製作を主導する立場にいたりして、思わずワクワクしてしまうようなコミカルさがそこかしこにただよっています。デパートで右往左往する様子やカラフルな色使いなども、どことなくあのシリーズを彷彿とさせるようです。
ターボマン探しの途中、ほぼ同じ理由で「ターボマン人形」を狙う、ガラの悪い郵便配達員がハワードのライバルとして現れます。
共倒れ気味の休戦状態に陥ったとき、子供の頃に欲しかったおもちゃをクリスマスに買ってもらえなかった(父親の無関心のせいで)というそのライバルの身の上話を聞いたとき、ハワードの口から出たセリフが「たかがくだらんプラスチック人形のせいで?」(拙作第4話のサブタイトル)。
約束を破れば、自分の息子もグレて勉強もしなくなって落ちこぼれになるかもしれない、と想像してハワードは激しくショックを受けます。
なぜ親が血まなこになってまでクリスマスのために頑張るのか、を象徴するセリフだとも言えるでしょう。
今日はこのあたりでメリークリスマス! あと4日!
拙作・クリスマス作品『ルーシー・ダイヤモンド・ドーソンと晩餐を』
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