第2話

「坊や。それはいったいなんだい?」


 女は少年の持っているスマホを指差した。


「これは」


 しばしの間、女は少年の説明に耳を傾けていた。


「へえ、こんな板切れで外の様子が分かるのかい」


 女はしばらくスマホを眺めていた。


「あれあれ、これじゃあ外の時と中の時が違う事がばれちゃうね」

「え? 知っていたの」


 女は、一瞬動揺した。だが、すぐにスマホを床に置くと、床に座っている少年ににじり寄る。


「な……なんですか?」


 少年は思わず後ずさった。


 そんな少年の足を押さえつけ、女は顔を近づけてくる。


「ねえ、坊や。どうせこの家から出られないのだから、お姉さんといい事しない?」

「い……いい事って?」

「こういう事よ」


 突然女は少年を押し倒した。


「な……何を……」


 押し返そうとするが、女の力は強く少年は逆らえない。


 女は少年を押さえつけると、股間に手を伸ばした。


「ちょっ! 変なところに触らないで……うぐ!」


 少年の口を女の口が塞ぐ。


 口の中に女の舌が入ってきた。


 少年は口内を女の舌に蹂躙され、次第にその快感に逆らえなくなっていく。


 少年が逆らわくなると、女は少年の服を脱がし、自らも全裸になって少年に覆いかぶさった。


「ああ!」


 女に乳首を嘗められて、思わず声を上げる。


「ふふ。可愛いね。ぼうや」

「……」

「女の人とこんな事をするのは、初めてかい?」


 少年は無言で頷く。


「さあ、たっぷり可愛がってあげるよ。ぼうや」


 …


 ……


 ………


 

 少年は呆けた顔で横たわっていた。


 今あった事はなんだったのか?


 少年とて男である。そういう事は日頃から想像していたし、やりたいと思っていた。


 だが、今、彼の身にあった事は思っていた事とは違っていた。


 確かに気持ちは良かった。今までない快感を味わっていた。


 しかし、同時に何かを吸い取られる感覚を覚えていた。


 そして行為が終わった後、少年は凄まじい疲労感に苛まれ指をピクリとも動かすことができなかった。


「坊や。気持ち良かったかい?」


 動けない少年の顔に、女は顔を近づけてきた。


「……?」


 気のせいか女の顔が少し若くなったように見える。


「返事する元気もないか。ひと眠りしたら元気になるよ。お休み」


 女は少年の身体に毛布を掛けた。


 そして、自分も毛布に潜り込むと、少年の身体を抱き枕のように抱きしめた。


 女の腕に抱かれたまま少年は眠りに落ちる。


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