第74話 幕間1 心折られる

 魔物の襲撃から、辛くも王都を護ることができた翌日。


 リアナside


 ヒイロちゃんと旅をしてきたルーナちゃんが、運命の羅針盤っていう魔道具で1ヶ月間眠る呪いを受けちゃったの。

 そんなことが本当にあるのか信じられないけど、実際に異様な雰囲気で発動した魔道具を見ると、嘘じゃないのがわかる。


 そして寝ている間に身体を綺麗にしなくちゃならないから、私とマーサちゃんがその役目に立候補した。


 私は、ベットで寝ているルーナちゃんを見下ろす。


「ヒイロちゃんはこういう娘が好きなのかなあ」


 可愛い顔立ちで背が低いのに、凹凸があるスタイル抜群の身体。

 何これ? 人間?

 鏡に映った自分の身体を眺め、触って確かめる。


「⋯⋯全然違う」


 特に胸の大きさが段違いだよ。何を食べればこんなに大きくなるか呪いが解けたらぜひ聞いてみたい。


「けどこの胸、本物かなあ」


 そうだよ。実は何か詰め物をしていて、偽物じゃないのかな、かな。

 私は現実逃避をして、目の前の状況を信じないことにする。


 濡れタオルでルーナちゃんの顔、手、足へと順番に拭いていく。

 そして真相を確かめるため、上半身の服を一枚一枚丁寧に脱がす。


「えっ?」


 脱がしている時、不意に手の甲に胸が触れてしまった。

 その感触はとても自然で偽物だとは思えない。


 嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!


 しかし、脱がしている内に、私は現実を受け入れなければならないことに気づかされていく。

 胸の張り、揺れ、そして何より触れる度にルーナちゃんのエッチィ声が部屋に響いていく。


「こんなことヒイロちゃんにやらせなくて本当に良かったよ」


 もし男の子がこの作業をしていたら、理性を失うこと間違いなしだよ。


 最後の一枚を取り除くと、予想通り本物の胸が出てきて私はその場にガックリと膝をついた。


「私、1ヶ月間もルーナちゃんの身体を拭くことができるかなあ」


 毎日この身体を見ていると、自分の自信が葉っぱのように吹っ飛んでしまいそうでメンタルが持ちそうになかった。


 マーサside


 私は今、呪いを受けて眠り姫となってしまったルーナさんの部屋へと向かっている。

 今日は私がルーナさんのお身体を清める番だからだ。


 そういえば昨日、リアナさんがルーナさんの部屋から出ていった時、なぜかとてもげっそりしていた。

 大体予想はつきますけど。


 部屋に入ると、静かな寝息を立てているルーナさんが、ベットに横たわっている。

 操られていて私は気づかなかったけれど、ヒイロさんとリアナさん、そしてルーナさんが行方不明になった私を救い助けてくれた。

 感謝の意を込めて、しっかりと身体を清めさせて頂きます。


 顔から始まり、手、足と濡れタオルで拭いていく。

 次に未知の物体である胸を拭くため、洋服を脱がしていく。


 そして最後の一枚となった時、私は左右に誰かいないことを確認してゆっくりと、両の手を胸へと伸ばす。


「うぅん」


 ルーナさんからエッチな声が返ってきたため、私は思わず手を引いてしまう。

 起きているのではないかと、おそるおそる顔を覗くが目は閉じたままだったので安堵する。


 それにしても何ですかあのさわり心地は!

 柔らかくて張りがあり、女の私でも何度も触りたくなる感触をしている。

 それにやっぱり、一番すごいことはこの大きさだ。まるで規格外のサイズに私は絶句する。

 後2年立てば私もと思っていたけれど、これは無理だと諦めることを選択するしかないです。


 この容姿、それにこの胸のボリューム、やはりルーナさんもヒイロさんを巡るライバルになりそうですね。

 いいでしょう、私には若さと小悪魔的妹キャラという武器があります。

 負けませんから。

 そう心に誓いながら、ルーナさんのエッチな胸を拭いた。

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