「彼女なんてできるわけないじゃん」と幼馴染に煽られたので、ほんとに彼女を作った結果、日々の生活から余裕がなくなりました。~もう二度と、残念系イケメンなどとは呼ばせない!
第24話 俺よええええじゃなくてラーブラブだった件
第24話 俺よええええじゃなくてラーブラブだった件
電車に揺られること数十分、集合場所である北鴻巣駅に到着。
俺と青空は降車する人達の流れに続く。
「お、いたいた」
改札を抜けた先に夕奈と抽冬の姿が。向こうはまだ気付いていないようで、俺は手を挙げ声をかけようとするが、
「…………あれ?」
左腕の自由が奪われてしまった。より正確に言うなら、横にいる青空が離さないように腕を組んできた、だ。
「……えっと、青空さん? どうしたの急に?」
俺は一度立ち止まってから、青空に真意を問う。
すると彼女は俺の肩にそっと頭を預けて、
「…………頑張ってるんですよ?」
耳を
「頑張ってるって、ここに来る前に言ってたことを指してる? だとしたらおかしくない?」
「……そうですね。頑張る、というのは少し……かなり、おかしいですよね」
そう自分に言い聞かせるように呟いた青空は、更に密着してきて俺を見上げる。
「華美さんに抱くこの想いを、ありのまま表現すればいいだけの話ですよね」
いやいやよりおかしくなってるッ! 顔が近いッ! そして何より――胸の主張が半端ないってそれええええええええッ!
青空の瞳を捉えてるつもりが、気付けばお胸に引き寄せられてしまう。一瞬の隙が命取りとはまさに。
このままじゃ
「あーっと、青空? どうにも話が見えてこないんだが、頑張らないのを頑張るんじゃないのか?」
「頑張らないのを、頑張る?」
「ああ。ラウンドツーをデート場所に選んだのは抽冬を目立たせる為だろ? スポーツができる、歌が上手い、からモテるとは限らないし安易だとは思ったが、望みがないわけじゃない。だから俺は敢えて手を抜く。例え抽冬が想像絶するほどポンコツだったとしても、それを上回るレベルで俺がポンコツになればいい。つまり頑張らないのを頑張る……ってことじゃなかったのか?」
「……………………」
いくら待っても返事はなく、不思議に思った俺は青空に視線を戻す……と、ぽかんとした表情で俺を見つめる彼女と目が合った。
「…………ふふ、ふふふ」
僅かに生まれた間がツボったのか、青空は控えめに笑い声をもらす。
「違いますよ、華美さん。私達はただラブラブしてればいいんです。そうすれば夕凪さんと清暖が二人でいる状況が作れるから」
「…………え、ラブラブ?」
「はい。だから華美さんが手を抜く必要は一切ないんですよ? むしろ私の為に本気出してください。カッコ良い華美さんが見たいです」
「……あ、うん。カッコ良い俺を見せるのは一向に構わないんだけど、ラブラブは別にしなくてよくない? ただ一緒にいるだけで十分じゃない?」
「ダメです! やるなら徹底的に、ラブラブも込みです!」
頑なに曲げようとしない青空は、柔らかい胸部を押し当ててきて俺の思考を惑わしてくる。
「わ、わかりましたすいません、ラブラブでいきましょう」
「はい! それじゃ行きましょ? 二人を待たせすぎちゃってるみたいですし」
前を向いた青空に倣って俺も視線を先に向けると、不機嫌そうな顔してこっちを見つめている夕奈と盛大に目が合ってしまった。
こ、これから友人と休日を
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