レビュータイトル「ひとこと紹介」でいい尽くした感じはありますが、竜胆さん(僕は敬愛を込めて、りっちゃん先生とお呼びしています)は、在野の坂口安吾研究のフロントランナーです。
安吾のよさは複数――たくさん――ありますけれど、その本質は、人を「あけっぴろげ」に、明るく、おおらかな、光で包むことです。もし違うとおっしゃるなら、twitterで探してフォローして、お尋ねになってみてください。
ある作家をとことん好きになって、そのエッセンスを、同人に振り向けるとき、いろんな方法や感性があると思います。
そう、いろんな方法や感性はあるのですが、方法や感性とはひとつまた違う次元の、書き手の人柄や、懐(ふところ)、大らかさ、といったものを、戦後にいちはやく残してくれたひとりは、間違いなく坂口安吾です。
りっちゃん先生のエッセイには、キラキラした、それがあります。安吾はこの一連の作品を読んで、きっと(おそらく手放しで)喜んだと思います。