第60話息子くんの仮装

 知人の店や保育園のハロウィンなど息子くんが仮装する機会は結構あったように思います。

 アルバムを開くと保育園で初めて仮装した妖精さんの衣装を着て、出番後のお着替え前にママが一旦部屋を出るので息子くん号泣、そんな写真が最初に目に入りました。

 普段後追いが激しいわけではないのに、保育園でのおゆうぎ会になると一度部屋に入り顔を合わせた後に部屋を出る際必ず泣いていた息子くん。

 尚、部屋を出てしまえば即切り替えて笑い声が聞こえていました。

 そんな息子くんが年長さんの頃の写真には魔法使いの衣装を着た息子くんが知り合いの店で初めて合った同い歳の女の子をエスコート、笑い合っている写真がありました。

 一番は矢張り保育園のおゆうぎ会だったような気がします、ミツバチに子ヤギ、コビトに妖精さんや青鬼になった時は赤鬼がやりたかったと泣いたことも。

 ハロウィンでは魔法使いにパンプキン、吸血鬼。家ではヒーローごっこでヒーローになりきっていた息子くんも毎回真新しい衣装に袖を通す時は少し緊張気味。三分も持ちませんが。

 息子くんに覚えているか聞いたことがあるのですが、息子くん朧気な記憶から出てきたのは在りし日の女の子をエスコートしていた思い出でした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る