第58話ヒーローごっこ

 不思議なのだけど、小さなうちはよく見えない敵と闘っていた息子くん。ドタバタと手足を振り回し空に向かって世界を守る戦いに明け暮れていた時期がありました。

 保育園の同級のママに聞いてみるとどうやら七割近くの子どもたちが家の中で見えない敵と闘っているという。

 最初は驚いたものの、昔はママも家の引き出しから仕舞われてある風呂敷を持ち出しマントに見立てて闘ってたなと思い出しました。

 ヒーローごっこは世代を越えても子どもたちが夢中になるらしく、息子くんも例に漏れず二三年は時々見えない敵と闘ってました。

 ある時にヒーローごっこをしなくなっているのに気付いたのは小学校に上がって暫くしてから。何やら寂しいものを感じつつも、これも成長なのかなと時々息子くんが闘っていた壁を見て思い出したりしてます。

 敵と認識されてた壁はいい迷惑だったんだろうなぁ。




 

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る