第61話 騒ぐ男達

夕食時、大広間に集められたチカ達中学生は騒がしくなる。

「飯だ飯だ!」

「京都って何が出るんだ?」

「修学旅行だからな、大したものは出ないだろうけど・・・」

男子達は騒がしく席につく。

食事の前に引率に来ている学年主任が一言言う。

「えー、本日は隣の部屋に別の団体客が来ております、くれぐれも迷惑にならないように静かに!静かに食べるようにして下さい!」

何故か静かにを強調して話す。


「先生〜無理です〜

俺等修学旅行中すよ!湧き上がるパトスを抑えれるわけ無いじゃないですか!」

「そうだ!そうだ!」

「静かに!静かにしなさい!」

教師の言葉は逆効果である、テンションが上がっている生徒達はさらに騒がしくなる。

すると隣の部屋と仕切っている襖が開き・・・

「うるせぇぞ!飯ぐらい黙って食べろ!」

強面の男が一喝する、それと同時に全員が静かになる。

「次騒いだら分かってるだろうな!お前ら先公共も覚悟しておけよ!」

「は、はい、静かに食べさせますのでどうか穏便にお願いします。」

「ったく!こっちは遊びじゃねえんだぞ!」

強面の男は乱暴に襖を閉める。


「なにあれ?」

「感じ悪いわよね。」

女の子達はボソボソと近くの友達と小さく話す。


「チカ大丈夫かな?アレってそういう関係者でしょ?」

「うーん、たぶん違うと思う。

ゆうちゃんは何も言ってなかったし。」

「でも、そっち系の顔をしてたよ!」

「ないない、貫目が足りないよ。」

充分に強面なのだが、チカは見慣れている為、怖さを感じていない。


「あ、あれぐらいでビビるかよ。」

「チ、チカさん、安心して俺が守ってやる。」

ケンゴとヤスシが少し震えながら勇ましい言葉を出す。

「どっちにしてもご飯は静かに食べるべきだよね、必要以上に騒がなければ大丈夫だよ。」

この中で一番怯えていないのはチカである。


「そ、そうだよな、騒ぐのもガキくさいし、おとなしく食事をするべきだよな。」

明らかにビビっているのがバレバレなヤスシだったが、多くの者が強面の男に怯えていた為強く突っ込む者もいなかった。


暫く食事をしていると先程の男がいるだろう隣の部屋が騒がしくなる。

「・・・」

理不尽だと感じながらも静かに食事が進んでいく。

すると隣の部屋の襖が倒れてくる。


「きゃあ!!」

近くにいた女生徒から声が上がる、そこには酔っているのか襖と一緒に倒れている男がいた。

「なんだてめぇ、見世物じゃねえぞ!」

「おいおい、マジマ、フラフラしてんな、酔ったのか〜」

「酔ってねえよ!これから・・・

おい、お前ちょっと酌しろよ。」

「や、やめてください!」

マジマは近くにいた女の子の手を掴む。

「マジマ〜さすがにガキじゃねえか?」

「たまには良いだろ?どうせやる事は同じなんだからな!」 

「ちげぇねぇ〜」

男達は下卑た笑いをするが掴まれた女の子はたまったものじゃ無い。

「助けて!せんせい!!」

「君達、止めないか!」

教師に助けを求め、教師も駆けつけようとするが・・・

「なんだ?てめぇやるって言うのか?あん?」

マジマの後ろの男がナイフをチラつかせ威嚇すると教師の足が止まる。

「そ、そんな物を出して、生徒を離してください・・・」

「離してやるよ、少しだけ楽しい事をするだけさ。」

「ほら教師なら生徒を助けて見せろよ、ほらよ!」

マジマは教師を嘲笑うかのように女の子の服を破り辱めを与える。

「いやぁぁぁ!!」

「黙れよ!嬢ちゃん、痛い思いはしたくないだろ?」

「ひぃ!」

ほっぺたにペタペタとナイフを突き付けられる。


「ミサキちゃん!」

チカは立ち上がり声を出す。

「おっ、可愛い子がいるじゃん、嬢ちゃんもこっちに来い!」

「貴方達、こんな事をしてただで済むと思っていますか!

すぐに痛い目を見ることになりますよ!」

「良いから来いって言ってんだよ!それとも何か?この嬢ちゃんが公開レイプされるのを待ってるのか?」

マジマは捕まえている女の子のブラをナイフで切る。

「いやぁぁぁ!!」

「ミサキちゃん、待って酷いことをしないで!」

「ならさっさと来いよ!」

チカが一歩前に出ようとすると・・・


「おいおい、兄さん達、なにふざけた真似してんだ?」

俺はチカを引き止め、男達と対峙するのであった。

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